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【NSPレポート】東伊那公民館のSDGs講座「竹と仲良く遊んじゃおう!」 第1回「SDGsゲームで楽しく学ぼう」講座を開催しました

2024年06月17日

最近「放置竹林」の問題があちこちで聞かれます。「放置竹林」とは、もともとタケノコ栽培や日用品の素材のために植えられた竹が、中国産品やプラスチック製品の台頭による需要の減少とともに管理されなくなり、放置され、荒れてしまった竹林のことです。竹は成長スピードが速く、周囲の日光を遮断して他の植物の成長を阻害したり、害獣の住処となったり、浅い根の広がりによって土砂崩れの原因になったりなど、放置するとさまざまな「被害」を発生させてしまうため、「放置竹林」は近年日本中で問題視されています。

 

駒ヶ根市にある東伊那公民館の周辺にも放置竹林があり、地域の課題となっています。この周辺地域は昔から竹を大切にしてきた土地だそうで、稲作のはぜかけに竹が使われたり、竹林を川の土留めとして利用したり、高遠藩の時代にたくさん植えられのだとか。しかしその後ずっと放置されてきた竹林が、昨年ついに大雨で崩れ、被害が出たそうです。そこで地区の公民館が、近年使われなくなった「竹」を素材としてもっと活用しよう!という主旨で、令和6年度の活動として半年にわたり親子で学べる講座を企画しました。

 

「親子でSDGs 竹と仲良く遊んじゃおう!」というタイトルで活動する全6回のうち、第1回目として5月26日、NAGANO SDGsプロジェクトの出前講座でおなじみ両角太先生にファシリテーションをしていただき、「SDGs」を楽しく学び、理解を深めてもらう講座が開催されました。

はじめに、SDGsについてのおさらいです。「親子で学べる」がテーマでもあるので、子ども向けに翻訳されているSDGsのゴール(マーク)を使って両角先生から解説をしていただきました。「貧困をなくそう」は「びんぼう」に、「安全な水とトイレを世界中に」は「きれいな水」に、「ジェンダー平等」は「おんなのこ」、「気候変動」は「おんだんか」など、とてもわかりやすい言葉に置き換えられました。

 

次に先生は、会場の壁に貼ってあったアンパンマンのカレンダーをプロジェクタに映し、「この中でSDGsにつながるものを探してみよう!」ということで、いろんなキャラクターのシーンからSDGsにつながる絵をピックアップしました。8歳のりょうたろう君は、「ばいきんまんは、腐ったパンやジャムがばいきんまんになったんだって」という都市伝説を披露して、「12もったいない(→ つくる責任、使う責任)」に結びつけました。

 

さて、 いよいよすごろくの制作です。2人1組になり、これから自分たちが作るすごろくの大きなテーマを決めます。コマにはSDGs のゴールが描いてあるだけで、枠は真っ白。テーマに沿って、そのゴールにあったイベントを2人で考えて書き込み、コマを埋めていきます。

あるチームは今回の講座全体のテーマに即して「竹」に設定したり、参加者の興味がいま一番熱い「電車」にしたり、「アンパンマン」に設定するチームもありました。2人でひとつひとつイベントを考えながら真っ白なコマを埋めていきますが、なかなか難しいようです。「テーマにとらわれすぎなくてもいいかもしれません」先生はハードルを下げてくださいました。

 

時間がきたので、自分たちで作ったすごろくを実際にやってみることに。サイコロを振って空欄のところに止まったら、止まった人がそこのイベントを考えることになりました。ゲームスタート!自分たちで考えたイベントですが、やってみると難しい!3マス戻ったり、3回も休んだり、なかなか進みません。それでも、空白のコマに止まるたびに即興でイベントが考えられるので、ゴールする頃にはどのチームもだいぶ空欄がなくなり、すごろくが仕上がっていきました。

 

続いて、隣のチームと交換してやってみよう!ということで、ひとの作ったすごろくを体験しました。これはまた新鮮で、盛り上がりました。

身近なことをSDGsの活動に結びつけて考え、大人も子どもも一緒に楽しく遊びながらSDGsに触れることができました。

 

次回以降は、実際に「竹」を使ったワークショップが続きます。竹で灯ろうを作ったり、竹の食器でそうめんパーティをしたり、竹炭を作ったり・・・。

両角先生は、竹の持つポテンシャルをいくつも提示してくださった上で、「竹を使うことを目的として突っ走るのでなく、プラスチック製品の代替品として使用するとか、災害時に竹筒でご飯を炊くなど、グローバルな視点で自分と未来と世界につなげるSDGsを考えていけたらいいですね」と参加者と主催者にエールを送りました。

 

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