News

【須坂市立東中学校×NSPレポート】東中学校1年生2名の挑戦!子どもたちに楽しく「ジェンダー」について学んでもらうため、○×クイズで情報発信を行います

2024年08月08日

2024年6月24日実施

 

須坂市立東中学校の全校総合における探究学習では、生徒たちが「人、学校、地域、世界のために取り組みたいこと」を考え、クラスや学年の枠を超えて、同じ思いをもつ生徒同士でグループを結成しています。いくつかのチームは、「SDGs」をテーマにしたさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。

 

「自分たちより年齢が下の子どもたちにも楽しくジェンダーについて学んでほしい!」と、小学校や保育園・幼稚園への「ジェンダー○×クイズ」掲示を計画している1年生2人。6月24日には、世界中の女の子を中心とした子どもや若者を支援する国際NGO「プラン・インターナショナル・ジャパン(以下:プラン)」の澤柳さんにリモートでクイズの内容を聞いていただき、2人の質問にも答えていただきました。

 

生徒たちは「性の多様性」に関する問題を10問近く考えてきてくれました。(例「性別は男の人・女の人だけ。〇か×か?」「中学校や高校に行くと男の子はズボン・女の子はスカートをはかなければならない。〇か×か?」)この中から5~6問ほどピックアップして出題する予定だといいます。2人の発表を受けて、「しっかり学ばれていて素晴らしい。小学生も楽しめそうですね」と澤柳さん。

 

クイズの内容を紹介した後は、生徒からの質問タイムです。「プランはジェンダーについてどんな活動をしていますか?」との質問に、澤柳さんは「子どもたち、特に“女の子”を支援しています」と回答。同団体は1937年のスペイン内戦をきっかけに、アフリカ・アジア・中南米といった国々を中心に支援の輪を広げてきました。途上国のみならず、台風19号の際には須坂市の避難所でも支援活動を行うなど、その手はさまざまな人に差し伸べられます。中でも女の子の支援に力を入れるのは、男の子に比べて厳しい環境に置かれることが多いから。十分な食事や医療が与えられなかったり、早すぎる結婚をしなければならなかったり、教育の機会がないために収入を得る手立てを奪われてしまったりと、「女の子」というだけで不平等が生まれてしまう現実を聞き、生徒たちは驚いた様子を見せました。

 

次の質問は「生まれた時の性別とは違う服を着ることを許可するような制度はありますか?」澤柳さんは「制度があるかは分からない」と回答したうえで、逆に「東中は制服を選ぶことができますか?」と生徒たちに聞き返します。現在女子生徒はスカートとスラックスを選べるそうですが、澤柳さんが中学生の頃は選択ができなかったと言います。高校生になると、長野県は半分くらいの学校に制服がないのですが、学生運動が盛んだった1960年代後半、「大人の言いなりにならず、自分たちのことは自分たちで決めよう。管理の象徴である“制服”を廃止しよう!」と声を上げた高校生たちがいたそうです。「制度」や「世の中の流れ」を作り出すためには、彼らのように「自分から声を上げる」ことが大切ではないか、とお話ししてくださいました。

 

最後に先生から「小学生にジェンダーについて教える・問題を出題するときに気を付けることはありますか?」と質問が。澤柳さんは、「幼い子だと、そもそも“ジェンダーって何だろう?”と、よく分からない子がいるかもしれません。皆に伝わるような解説は必要でしょう」と答えたうえで、「皆さんジェンダーについてしっかり学ばれているようなので、自分の考えを押し付けないように注意さえすればバッチリです!」と背中を押してくれました。

 

これからクラスメイトにも問題を解いてもらい、問題の選定や調整をしたうえで、近隣の小学校などに掲示物を配る予定とのこと。小学生たちのリアクションが楽しみですね!

 

News

Archives