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【信大附属長野中学校×NSPレポート②】 「PETAKE(ぺテック)」が下高井郡農林高等学校でバンブーキャンドル作りに挑戦!

2024年08月29日

2024年7月11日実施

信州大学教育学部附属長野中学校では、「あさひのプロジェクト」という学校独自のプロジェクトに学校全体で取り組んでいます。生徒たちは自分たちのシーズと社会にあるニーズについて考え、それぞれ興味のある分野で探究活動を行っています。

 

今回NSPがコラボする「PETAKE」は、「放置竹林」の問題に取り組む3年生9名のグループです。このテーマを選んだきっかけを聞くと、「放置された竹林によるさまざまな被害が問題視されている現状を新聞記事で知ったから」と答えてくれました。そんな生徒たちは伐採した竹をふだん使えるものに活用して、問題改善に貢献したいと考えています。これまでの活動では、長野市七二会の里山整備利用促進協議会の皆さんに竹林について話を聞いたり、竹、のこぎり、なた、ドリルをお借りし、実際に一輪挿しやランタンなどを制作したそうです。

今回、生徒たちは「竹」への理解をより深めるため、長年放置竹林問題に取り組んでいる下高井郡農林高等学校(以下、農林高校)を訪問し、高校生と一緒にバンブーキャンドル作りに挑戦しました。

 

バスに1時間ほど揺られ、農林高校に到着。まずは自己紹介を兼ねて、「今までに自分が作った最高傑作品」を一人一人紹介しました。本棚や貯金箱、お父さんに宛てたカレンダーなど、中学生も高校生も先生も個性豊かな自分の作品を紹介し合い、雰囲気が和むアイスブレイクになりました。

 

【SDGsと環境創造コース】

作業の前に農林高校の取り組みについて、環境創造コースの竹元先生からお話を聞きました。農業分野においてもSDGsは重要視されているそうで、環境創造コースでは竹害による生態系破壊を守るために、数年前から伐採した竹を活用したバンブーキャンドル作りを始めました。バンブーキャンドルとは、竹に穴を開けて、中の光源からその穴を通して浮かび上がる模様を楽しむもの。これまで伐採した竹は焼却処分が当たり前でしたが、バンブーキャンドルに生まれ変わらせることで、自分で見て楽しんだり、販売して利益を得ることができます。竹元先生は、「森の生態系を守るというゴールは同じでも、そこまでの過程は楽しい方がいいよね」と問いかけ、生徒たちは共感するように深く頷いていました。

 

【バンブーキャンドル作りスタート!】

さて、いよいよバンブーキャンドルの制作です。環境創造コースの生徒2名のリードで、まずは2人1組になり、竹をのこぎりでカットしていきます。この日のために山ノ内町の竹林から伐採してきてくれたという竹は、「こんなに太い竹は初めて見る!」と生徒たちも驚きのビックサイズ!刃を入れるのも一苦労でしたが、高校生から「竹に対してまっすぐ立って、力まず切ってみて」とアドバイスをもらい、全員きれいにカットすることができました。

 

続いては、竹の側面に入れる模様選び。月、星、ハートなど気に入った柄のシートを竹に巻き付け、丸が描かれている箇所に電動ドリルで穴を開けていきます。シートには直径3㎜~5㎝ほどの丸が並ぶため、穴と穴が繋がらないようにドリルの形状とサイズを慎重に選ぶことがカギとのこと。さらに先生から「丸よりも一回り小さい刃を選ぶときれいな柄が出てくるよ」とコツを教えてもらいました。生徒たちはドリルの扱いには手慣れた様子で、職人のような手つきで作業に没頭していました。

 

お昼休憩を挟んで、いよいよ最後の仕上げです。時間が経っても腐らないように竹の表面をガスバーナーで焼き、水分や油分を除去していきます。竹によってその仕上がりはさまざまで、焼き目がまだらになってしまうものもありましたが、それもまた趣を感じられ、生徒たちは満足気な表情を浮かべていました。

 

さっそく完成したバンブーキャンドルを全員で照らしてみました。暗闇の中からさまざまな模様がきれいに浮かび上がり、教室から感動の声が漏れました。

続いて、竹元先生から「このバンブーキャンドルを何円で売りますか?」と聞かれた生徒たち。実は休憩中にもこの話題が上がっており、その時は「300円くらいかな?」「高くても1,000円じゃない?」とかなりお手頃価格で見積もっていました。しかし、実際に自分の手で制作したことでその大変さを知ったようで、「2,000円以上もらってもいいかも!」と答え、竹元先生は「それくらいの価値はあるよね。正解は生活の中で見つけていこう」と伝えました。

最後に、PETAKEのメンバーは「自分たちの学習だけでは知らなかったことをたくさん学ぶことができました。作業中もいろいろ手助けをしてくれてありがとうございました」と高校生に感謝を伝え、体験を終えました。

 

好奇心旺盛な生徒たちは、高校生にいろいろなことを質問しながら、体験を楽しむ姿が印象的でした。農林高校での体験は、竹のことだけでなく「楽しみながらSDGsに取り組む」という大切なことも学べたのではないでしょうか。バンブーキャンドルは11月のバザーで販売を予定しているそうです。

 

 

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