小学生〜高校生
実施報告
無 料団体名: JICA東京
現在世界には約77億もの人がいますが、それを100人に縮めてみたらどうなるでしょう?
世界各国で出版され、広がった「世界がもし100人の村だったら」を使い、実際に身体を使いながら世界の格差や多様性を体験してみませんか?そして、このワークショップを通してSDGsについて考えてみましょう。
開催期間:
2020年2月24日(月・休)10:30~12:00 (開場10:00)
会場:
長野市生涯学習センター (TOiGO WEST)3F 第1学習室
定員:
30名
掲載日:2020年02月24日
2月24日(月)、長野市生涯学習センター(TOiGO WEST)3F 第1学習室にて、講師にJICA(国際協力機構)の竹内岳さんを迎え、公開講座が開催されました。
参加者は小中学生とその保護者の約40名。現在196か国、約77億人が暮らす世界が、この部屋にいる40人の村に縮小されたら―?この「世界がもし100人の村だったら」は、参加者が世界の人々になりきって、体験的に学ぶ事ができる大人気のワークショップです。
参加者にはまず「役割カード」が配られます。講師の指示を受けながら、カードに書かれた性別や年齢、居住地や母国語などの設定に沿って動くことで、さまざまな切り口から世界の姿を見ることができます。
例えば、「同じ言葉を話す仲間同士で集まりましょう」と声がかかると、参加者は各々カードに書かれた言語で「こんにちは」と言いながら、仲間を探します。「Hello!(英語)」「你好!(中国語)」「Hola!(スペイン語)」―さまざまな言語が飛び交う中、「Xin chào!Xin chào!!(ベトナム語)・・・仲間が見つからないよ~!」と肩を落とす参加者も。実際にグループになってみたところ、仲間の多かった第1位は人口の多い中国語、第2位は万国共通語ともいえる英語、第3位はスペイン語でした。スペイン語が広まった背景には、かつてスペインが広く植民地支配を行っていた過去があります。言語の分布を知ることで、国や世界の歴史が見えてきます。参加者は意外なつながりに驚いた様子でした。
識字率についても、ワークを通じて考えます。
文字が読めないという設定の参加者3人が選ばれ、ストーリーに沿って即興で寸劇をします。(みなさん名演技でした!)
—【ストーリー】———–
ネパール人の父・母・子の3人家族。父・母は学校に行く事ができず、文字が読めないので、低賃金で労働をしています。子どもを学校に通わせるお金もないので、子どもも字が読めません。
ある日、子どもが腹痛を訴えたので病院へ行きましたが、院内に人はおらず、目の前には①~③の液体が置かれているだけ。何やら文字が書かれていますが、読むことはできません。この中から薬を選び、子どもに飲ませてください。
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両親役の2人は頭を悩ませ、「とりあえず臭いを嗅いでみよう」「はじから全部飲ませちゃえば?」と話し合っていましたが、結局③の液体をセレクト。実は、3種類の液体には、それぞれ①薬 ②ただの水 ③毒と書いてあったのです!子ども役が③の毒を飲もうとすると、席からは「飲んじゃダメ!」「イヤ――――!」と悲鳴が!
教育を受けられないということは、知識や仕事を手に入れられないだけでなく、直接的に命に関わるものだということが分かるワークでした。
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さまざまなワークを行う中で、世界の貧富の差や多様性を感じる事ができる「世界がもし100人の村だったら」。世界の人口約77億人のうち、約60億人、8割もの人々が開発途上国に住んでおり、栄養失調や免疫の低下で5秒に1人が亡くなっている―そんなショッキングな事実が突きつけられるなかで、竹内さんは参加者に「わたしたちは“本当に”何もできないのでしょうか」と問いかけました。
答えは参加者のみなさんそれぞれの心に芽吹いてきたはずです。話を聞く子どもたちの表情は真剣でした。今回のワークショップは、親子で明日からの世界を考える大きなきっかけとなったのではないでしょうか。