6/5開催 出前授業
実施報告
団体名: 独立行政法人 国際協力機構
掲載日:2020年06月05日
出前授業に参加したのは、長野盲学校の中学1・2年生、高校3年生の8名です。講師はJICA(国際協力機構)の竹内岳さん。
はじめに竹内さんが生徒さんたちに伝えたのは、この授業の目的「SDGsとは何か、みんなの言葉で説明出来るようになってほしい」ということ。
環境問題、ジェンダーの問題、経済格差など、世界では様々な問題が起きています。このままでは世界は持続しません。SDGs(持続可能な開発目標)は、今だけでなく、これから先の未来をよりよくしていくための目標です。
「あなた自身や次の世代のために、他人事ではなく“ジブンゴト”として考えてほしい」と竹内さん。SDGs
は、日本も含め地球に住んでいる「全員」が取り組んでいくことが大事だと言います。
中央アジアに位置するキルギス共和国は、農業など親の仕事を手伝うために、収穫時期に学校を休まなければいけない生徒も少なくないなど、生活は決して裕福とは言えません。一方で、ゴミを出さない生活や、年上の人を敬うことが当たり前の文化を持っているそうです。例えば、レストランで食べ残してしまうときは、「パケット」という袋に、残したものを入れて持ち帰ると言います。日本はキルギスに援助をしていますが、まだ食べられるものも捨ててしまう「廃棄大国」。キルギスの文化に学ぶべきところが沢山あることを知って欲しい、と竹内さんは伝えました。
また、南米のパラグアイ共和国では、「カテウラ音楽団」という団体が、ゴミを使って楽器をつくり、演奏会を開いています。ゴミの埋め立て場で、治安が良いとは言えない地域に住んでいる子ども達が、規律や約束を守ること、物を大切にすることなど多くのことを音楽から学び、SDGsの多くのゴールにも繋がるような取り組みをしています。ゴミから生まれた楽器からは、とてもきれいな音楽が奏でられると言います。
授業中、生徒さんたちは熱心に竹内さんのお話をノートにとり、休憩時間には音楽に興味のある生徒さんが集まり、竹内さんに質問したり感想を言い合ったり、とても自然に、積極的に授業に参加していました。
最後に代表であいさつをしてくれた生徒さんは、「SDGsに関してよく知らなかったので心配でしたが、授業を聞いて、日常生活でもっと意識しようと思いました。SDGsを知らない家族や知人と話し合いながら、周りの人と一緒に意識しようと思いました」と決意を語ってくれました。
SDGsを知るためのクイズや、竹内さんからの投げかけに対し、生徒さんたちは自然に反応したり手を挙げたりと、とても雰囲気の良い授業となりました。それは、すでにこの出前授業がみんなの“ジブンゴト”になっていたことの表れなのかもしれません。
<<受講した生徒さんたちの声>>
・世界が抱える問題が想像以上に大きいことを知り、全ての人々が一致して問題を解決していく必要性を感じました。
・身近な人にもSDGsのことを知ってほしいと思った。
・地球には、今、色々なことが起こっていることが大変だと思った。