WEBセミナー
実施報告
WEB講座団体名: 一般社団法人あしたの働き方研究所
国連の定めたSDGs(持続可能な開発目標)の理念「誰一人取り残さない」の実現に向けて、大人の発達障がいの方(知的遅れはないがコミュニケーションや対人関係の苦手さ、こだわりの強さ、注意欠如や多動などの特徴のある人)の生活しやすい環境づくりを考えませんか。
よくある特徴や困り事を知り、どんなサポートがあるとよいのか学ぶことで、お互いの関係性やコミュニケーションが改善します。
この講座で、発達障がいについて学び、SDGsの「誰一人取り残さない」社会を目指してみませんか?職場やさまざまな方が集まるチームのマネジメントに携わる皆様のご参加をお待ちしております。
講師:一般社団法人あしたの働き方研究所代表理事 加藤深雪
プロフィール:長野県松本市出身。筑波大学大学院修了。企業勤務ののち、東京都立大学オープンユニバーシティでの講師歴14年。産業カウンセラーやキャリアコンサルタント、公認心理士など多くの専門家の協力を得て、一般社団法人あしたの働き方研究所を設立。
開催期間:
2021年6月12日(土)10:00~11:30
受付締切:
定員になり次第締切
会場:
オンラインZOOM
受講料:
無料
定員:
30名
備考:
■■■必ずお読みください■■■
・講座の一部では、カメラ、マイクをオンにしたワークショップセッションもございます。
・本セミナーは「zoom」を利用して開催いたします。
・WEBセミナーの配信URLはこちらの申し込みフォームでお申し込み頂いた方にご連絡いたします。
・定員に達し次第締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
掲載日:2021年06月12日
今回の講師は、一般社団法人あしたの働き方研究所・加藤深雪先生。
経営コンサルタント業界を中心に、さまざまな業界で働いてきたという加藤先生ですが、10年ほど前から知能が平均以上に高いにも関わらず、周囲との関係をうまく築くことができずに離職に追い込まれてしまう「大人の発達障がい」に関心を持ちはじめたと言います。学びを深めるため大学院に入学し、「高機能自閉症スペクトラム就労者を理解するための職場介入プログラムの開発」というテーマを研究。2020年に大学院課程を修了し、同年、一般社団法人あしたの働き方研究所を設立しました。
そんな加藤先生が参加者に提示した目標は3つ。
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①SDGsの意味と、「誰一人取り残さない」という理念を理解する
②発達障がい者の特性や困り感がなんとなく想像できるようになる(ただしレッテルは貼らない)
③合理的配慮の大切さと、支援は誰にでもできるということを理解する
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SDGsの基本的な理念である「誰一人取り残さない社会」の「誰一人」とは、開発途上国の人々のことだけでなく、発達障がいの特性を持つ方のことも含みます。障がいのある方が社会参加することで、労働力不足からくる地域経済縮小の改善にもつながり、サスティナブルな未来社会の実現に一歩近づくでしょう。
「大人の発達障がい」について特徴や困り事を知り、どんなサポートをすれば互いに気持ちよくコミュニケーションがとれるのか、正しい知識を身につけながら考えていきます。
障がいの定義とは、「心身機能」「活動」「参加」のどれかに「制限」がある状態のこと。そしてその「制限」は、個人的な要因と環境的な要因が互いに作用することで生まれます。(例:車いすの利用者が段差を登れず、入ることができない建物がある、といった状態)
今回の主題である「発達障がい」は、「生まれつきの脳を含む中枢神経系の機能障害」のこととされていますが、周囲の理解や協力による、「制限」を減らすための環境調整(サポートや合理的配慮)次第で、「特性が強い人」ということで済む場合もあると加藤先生は言います。
そもそも発達障がい者が抱える困りごとには、自身のスキル不足による「自信喪失」もありますが、特に周囲の理解不足による「孤立感」の問題が大きいと言われています。しかし、脳の機能からくる特性を変えるのには限界がある。だからこそ、周囲が歩み寄る姿勢が重要なのです。
そんな「歩み寄り」のコミュニケーションとサポートの基本は、「観察」と「会話」。間違いの指摘や一方的な提案をするのではなく、ポジティブ・ネガティブ両方の感情を聴き取り、その方の得意なことや希望も取り入れることがポイントだそう。またサポートする側も無理しすぎず、両者でよく話し合いながら、ちょうど良いところを見つけていくことが合理的配慮になるとのこと。
その他にも、「課題は一気に伝えない」「具体的で明確な表現」「注意をする際は、自分を主語にする(私も困っているんだよ、など)」など、コミュニケーションのポイントを学んでから、それを踏まえて伝わりやすい言葉かけの練習もしてみました。
今回のセミナーで学んだことを職場のコミュニケーション改善に生かすことで、ミスの減少、いじめの抑制、ハラスメントのリスク回避、生産性の向上、幅広いプールからの人材獲得といった多くのメリットが生まれます。
セミナーの受講者からは、「ネガティブな言葉をポジティブな言葉に変える練習をして、相手の好きなところ、いいところを自分で言えるようにしたい」などという声が上がりました。
<参加者の方からの感想です>
・職場の仲間に障害について認知してもらいたい思いがあり、どのように進めていくべきか知りたくて参加させていただきました。紹介してもらった書籍など読ませていだいて今後も学ばせていただきます。本日はありがとうございました。
・発達障害特性のある方への支援をSDGsと結びつけて具体化できるか考えるきっかけになりました。ありがとうございました。
・特別支援学級の担任をしているが、子どもたちには、自分の特性を理解した上で自分をまるごと好きになってほしいし、大人になったら自分の長所を生かせるような仕事をして元気で幸せな人生を送ってほしいと思います。そういう人たちを支えられる社会になってほしいし、そうなるように自分にできることをしていきたいす。
・発達障害でないかという人を就労支援団体(A型・B型など)へつなぐことが、必要なキャリアサポートと思っていたのですが、社会に適応できているものは障害でないということを学び、私たちの事業(働く場の提供)の目的(本人が目指す働き方へ支援する)を、もう一度考え、どう働くのが、彼らの働きがいにつながるのか本人たちと話をしたいと思いました。
発達障がいの特性がある方にはもちろん、あらゆるコミュニケーションにおいて重要な事項が詰め込まれていたのではないでしょうか。皆さんも、明日とは言わず、今日からぜひ実行してみましょう!