実施報告
無 料団体名: JICA東京 長野デスク
先生たちのしゃべり場!~先生の、先生による、先生のためのワークショップ~
児童・生徒の皆さんと一緒にSDGsの活動をする中で、「困ったこと」や「こんな時はどう進めればいいのか?」と、悩んだことはありませんか?
実際に学校で実施している、あるいは実施してきた経験豊富な先生たちから具体的なお話を聞いたり、同じ教育現場の先生同士でディスカッションすることによって、解決方法や対策が見つかるかもしれません。
小・中・高校それぞれの先生をゲストスピーカーにお迎えして開催します。
校種や学校の垣根を超えて、現場の先生同士でお悩みを話し合いましょう!
お気軽にご参加ください♪
日程:8月7日(日)
時間:13:00~17:00(予定)※12:30開場
場所:信濃毎日新聞長野本社2階講堂
参加費:無料
募集定員:30人
協力:JICA東京 長野デスク
※会場には駐車場がありませんので、お近くの駐車場をご利用いただくか、公共交通機関をご利用ください。
コーディネーター:(一社)エンターキー 清水智さん
ゲストスピーカー:佐久平総合技術高等学校 望月ゆかりさん
安曇野市立堀金中学校 両角太さん
文化学園長野中学・高等学校 長田理恵さん
上田市立南小学校 若山尚子さん
※申し込みフォームの備考欄に、校種と参加目的やSDGsの活動やアクティブラーニングを実施する上で聞きたいこと、困っていることなど、必ずご記入ください。
開催期間:
2022年8月7日(日)13:00~17:00(予定)※12:30開場
会場:
信濃毎日新聞長野本社2階講堂
受講料:
無料
定員:
30人
掲載日:2024年12月22日
児童・生徒の皆さんと一緒にSDGsの活動をする中で、「こんな時はどう進めればいいのか?」と悩んだり、困ったりしたことはありませんか?
学校のカリキュラムを進めながら、他の先生と足並みをそろえてSDGsの活動を行うのは難しいもの。
そこで、今回のワークショップでは、実際に学校でSDGsの取り組みを実施してきた経験豊富な先生たちからその活動内容や体験談をお聞きしたり、同じ教育現場の先生同士でディスカッションをしていただくことで、SDGs達成を志す仲間のつながりを作るとともに、課題の解決方法や対策を探しました。
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今回のワークショップの大きな目的の一つが、「先生同士のネットワークづくり」。
悩みを共有し、一緒に前に進んでいくためには、やはり参加者同士が仲良くならなくては!ということで、まずはJICA東京 長野デスク木島史暁さんによるアイスブレイクからスタート! (木島さんのプロフィールはこちら)
木島さんが用意してくださったアイスブレイクは2つ。
・自己紹介【テーマ:自分自身を漢字一文字で表すなら?】
・ペーパータワーづくり
ペーパータワーづくりは、A4用紙20枚をチームで協力してできるだけ高く積み上げるゲーム。今回は2チームに分かれて対戦しました。
各チーム、リーダーを中心に作戦を立てて、いざ、ゲームスタート!
かたや紙で折った箱の中に紙を丸めた筒を詰めて安定感のあるタワーを目指し、かたや三つ折りにした紙を一気に積み上げ……と、個性あふれる対戦となりました。
ゲーム終了後にも「こうすれば、もっと高いタワーができるかな」「次挑戦するなら、こうするといいかもしれないですね」とアイデアを出し合う参加者の皆さん。仲間意識が芽生えるきっかけとなったのではないでしょうか。
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アイスブレイクで空気が和んだ後は、(一社)エンターキーの教育ICTコンサルタント・清水智さんから、ESDについての説明と、教材の活用例をお聞きしました。ICT教育は、パソコンやタブレット、インターネット等情報通信技術を活用した教育手法。清水さんは小学校の教員として15年以上勤めた後、ICT教育を推進するべく学校や教育委員会等に向けて指導や支援を行っています。
ESDとは、「持続可能な社会の創り手を育む教育」を指します。
特にSDGsにおける【目標4:質の高い教育をみんなに】の分野は、その他の目標すべての実現に寄与するものであり、国を挙げて施策を行っている分野の一つ。子どもたちが地球規模の課題を自分事として捉え、その解決に向けて自ら行動を起こす力を身につけられるよう、さまざまな機器を通じた学習サポートの態勢が広がりつつあるそうです。
手軽に「疑似体験」ができるVR動画サイト等を活用しつつ、ICTを教育に織り交ぜていくことで、さらなるESDの推進が期待できるのではないでしょうか。
▽実際にイベント内で紹介されていたサイトです:VR for SDGs
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最後に、学校でSDGsの取り組みを実践してきた4名の先生方の活動内容や体験談等をお聞きしました。内容の一部をご紹介します。
1)佐久平総合技術高等学校:望月先生
望月先生が取り組みの軸としているのはこの3点。
・Gamification(カードゲームを通じてSDGsを感じる)
・Think Globally , Act Locally(地球規模で考え、足元から行動する)
・Decade of Action(2020年からは行動の10年=具体的に数値で結果を出す)
子どもたちと一緒に取り組みを進めるためには
・まずは「知る」ことから始める
・いろいろな視点で気づきを表現しあう
・できることから行動し、徐々にステップアップしていく
というプロセスが重要だと言います。
SDGsを身近に感じられる、楽しいゲームやクイズを導入として、「自分自身が世界とつながっている実感」や「自分事として具体的にアクションを起こせる力」を身につけられるような活動を行っています。
2)安曇野市立堀金中学校:両角先生
安曇野市立堀金中学校で教頭を務める両角先生は、学校でSDGsを推進していく上での苦労についてオリジナルの川柳を交えて発表してくださいました。
・フアン(不安)なら、ファンを増やして青信号
⇒「SDGsなんて、やって意味あるの?」と考えている人よりも、「いいじゃん!」と乗ってくれる人をイベントやセミナーに連れて行ってSDGsファンにしてしまおう!
・カレールウ 学年主任 SDGs
⇒「行事や生徒会、発表会などやることが多すぎてSDGsに手が回りません」と言う場合、すべてのイベントが「分断」されているのではないか。
例えば、平和学習⇒広島へ修学旅行⇒音楽祭で『平和の鐘(合唱曲)』を合唱などと流れを作ることで、行事にもSDGsは取り入れられる。
3)文化学園中学・高等学校:長田先生
2019年にJICA教師海外研修に参加した長田先生。
出発前、周囲からは「地球の裏側の問題って大事?自分のまわりにも問題は山積みだよ」と言われ、うまく言い返せなかったそうです。
しかし、調査に赴いたパラグアイ共和国で社会的インフラの格差や教育格差を目の当たりにし、「公正で持続可能な社会をつくるためには、世界にあるさまざまな問題を理解しなければならない」と再認識。この経験を学校の生徒会活動に展開しました。
授業を開始した当初、生徒からは「パラグアイの人々は幸せに暮らせていないのでは」等の感想が挙がり、生徒会活動として募金を呼びかけたそう。しかしその後「お金を渡すだけでよかったのかな?」と新たな疑問が浮上。さらなる展開へと繋がっていきます。
▽その後の取り組みは【長野みんないろんなSDGs活動紹介BOOK 2020-2021】の
p.19よりご覧いただけます
https://www.naganosdgs.jp/materials_list/nsp
4)上田南小学校:若山先生
上田南小学校では、4年時の社会の授業で「ごみ問題」を取り扱ったことをきっかけにポスター制作とSDGs宣言を行い、地域に向けてSDGsを発信してきました。
取り組みはクラス替えがあった5年生以降も継続。ごみ問題からテーマの幅を広げ、17の目標の中から気になる目標について調べ、発表しました。
▽取り組みについては【長野みんないろんなSDGs活動紹介BOOK 2021-2022】の
p.11よりご覧いただけます
https://www.naganosdgs.jp/materials_list/nsp
この際、Googleのサービスである「Jamboard(ジャムボード)」を活用。
加えて事前に若山先生自身が気になっていたNHKの番組を子どもたちに共有していたそうです。
▽NHK for School:2030未来への分岐点
https://www.nhk.or.jp/archives/creative/2030/
現在、生徒たちは6年生。
「南小にSDGsを広めよう」「子ども服を集めて届けよう」「自分たちで野菜を育ててみよう」「米袋でエコバックを作って売ろう」といったプロジェクトを自ら立ち上げて、トライアンドエラーを繰り返しながら取り組んでいるそうです。10月には上田地域産業展で発表の機会をいただくなど、地域への発信にも広げています。
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今回のイベントでは、さまざまな先生方の「生きた事例」を学ぶことができました。ICTの活用や、周囲との協力もSDGs・ESDの達成においては欠かせない要素ですね。
NSPでも、今後さらに「先生の輪」を広げることができるよう、取り組みを続けていきます!