先生が学ぶSDGsセミナー

実施報告

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参加型で学ぶSDGs ーわたしが変わる、社会が変わる、未来が変わるー

団体名: 特定非営利活動法人 NIED・国際理解教育センター

社会の現状と課題を把握し、問題の影響や自分との関わりを探り、課題解決と世界共通ゴールであるSDGs達成のための手立てを考えます。問題を「知っている」だけでは社会は変わりません。このままでは「続かない」社会を「続く」社会にするためには、一人ひとりの「行動」が不可欠。「知る、気づく、行動する」をつなぎ、参加の意欲とスキルを育てる参加型教育は、持続可能な未来へのカギを握っています。本講座も全編参加型で進めます。

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開催概要

開催期間:

8月2日(月) 10:00-15:00(4h)(予定)※お昼休憩1時間あり

会場:

伊那市生涯学習センター(いなっせ)7F

参加型で学ぶSDGs ―わたしが変わる、社会が変わる、未来が変わる―

掲載日:2021年08月02日

社会の現状と課題を把握し、問題が及ぼす影響や自分との関わりを探り、課題解決と世界共通ゴールであるSDGs達成のための手立てを考えます。問題を「知っている」だけでは社会は変わりません。このままでは「続かない」社会を「続く」社会にするためには、一人ひとりの行動が不可欠。「知る、気づく、行動する」をつなぎ、参加の意欲とスキルを育てる「参加型」教育は、持続可能な未来へのカギを握っています。本講座も全編「参加型」で進めます。


【開催概要】


開催期間 :2021年8月2日(月)10:00〜15:00


会場 :伊那市生涯学習センター(いなっせ)7F


(以下本文)


先生が学ぶSDGsセミナー


参加型で学ぶSDGs ―わたしが変わる、社会が変わる、未来が変わる―


 


8月2日(月)、特定非営利活動法人 NIED・国際理解教育センターのファシリテーター・伊沢令子さん(以下「れいちぇる」)を講師に迎え、2021年最初の教育関係者向けセミナーが開催されました。


※参加者の皆さまにご協力いただき、マスク着用、検温や消毒・換気など感染対策を徹底しました


 


れいちぇるがNPSで開催するSDGsセミナーは、今年で3年目。


SDGs初心者向けセミナーということもあり、初参加の方が多くいらっしゃいました。


▼こちらから2020年度開催のセミナーレポートがご覧いただけます


https://www.naganosdgs.jp/learn/open_lecture/0805nied.html


https://www.naganosdgs.jp/learn/open_lecture/20200927-2.html


https://www.naganosdgs.jp/learn/open_lecture/1115-2.html


今回のテーマは「参加型で学ぶSDGs ―わたしが変わる、社会が変わる、未来が変わる―」。


私たちが生きる社会に山積する課題は、大きくは環境分野と人権分野に分けることができます。SDGsが継承するESD(持続可能な開発のための教育)は、環境課題と人権課題について、「知り・気づき・行動する」ことをつなぎ、課題解決を目指す教育です。


昨年のセミナーは「環境」についての内容が中心でしたが、今年は「人権」についての内容が増えて、さらにパワーアップ!社会の現状と課題を把握し、問題が及ぼす影響や、自分との関わりを探ることで、課題解決と世界共通ゴールであるSDGs達成のための手立てを考えます。


今回のセミナーのねらいは以下の通りです。


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*社会の現状をふりかえり、社会課題を確認し、その影響や原因、自分との関わりを探る


*SDGsの理念と内容を理解し、ゴール達成のために必要なもの、役立つこと、自分にできることを考える


*人の行動変容に必要な「知識」「気づき」「スキル・トレーニング」を提供する、「参加型」の学び方を学ぶ


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まずは恒例のアイスブレーキングからスタート。あるお題に対して4つのグループに分かれる「4つのコーナ-」というワークを行いました。(例:好きな季節は?⇒①春 ②夏 ③秋 ④冬)


「参加型の学び」には、「安心して自分の考えを話せる空間」が必要不可欠。「4つのコーナー」は、人の考えは多様であることを体感でき「異なる考えを尊重する」トレーニングにもつながります。


次はグループに分かれ、「自分を表す3つのキーワード」で自己紹介。限られた時間を、メンバー同士公平に分け合いながら、紹介し合いました。


「お互いに自己紹介してみて、どうでしたか?第一印象と同じでしたか?違いましたか?」と、れいちぇる。「ただ見ているだけでは、どんな人か分からない。話してみて初めて、『第一印象と違うなぁ』、『想像通りの人だなぁ』ということが分かりますよね。それは『社会の課題』に対しても言えることです」


ただ問題を「知っている」だけでは、何も変えることができない。「関わる」ことが、SDGs達成には不可欠なのです。


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グループの雰囲気がほぐれたところで、最初の課題へ。


1)グローバル化のメリット


2)鎖国したら困ること


3)いま世界が抱える問題(グローバルイシュー)は? の順に、


【グローバル化の「光」と「影」】について、ブレインストーミングなどの手法を用いて考えていきます。ポイントは、「自分の意見だけを広げる」のではなく、「チームメイトの意見を広げる」こと。そして、それを「グループ同士で共有」すること。そうすることで、「自分一人」では、「自分たちのグループ」だけでは考えつかなかったようなアイデアや課題をみんなで分かち合うことができます。


「私が出したメリットと○○さんが出したメリット、つながりますね」「これはメリットではあるけれど、課題にもなりうるな」・・・と、各グループ大盛り上がり。皆の知恵を重ね合わせ、最終的に【29個】ものグローバルイシューが見つかりました。


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ここでグループ替え。自己紹介を済ませ、新しいグループで「グローバルイシューの現状」について資料を読み合わせました。配られた資料は、メンバーそれぞれ別の内容のもの。各々文章を読み解き、分かったことや感じたことを、他のメンバーに共有しました。


「文章をしっかりと読み、責任を持って伝達することでグループに貢献できるうえ、自分の頭にも残ります」とれいちぇる。「人の頭を借りて把握する」ことも、「短い時間」で「多くの人」が「たくさんの情報を得る」ための手法の一つなんだそうです。


次に配られたのはSDGsの目標と概要が書かれた17枚の「SDGsカード」。一人1枚好きなものを選び、グループのメンバーに20秒でカードについて説明します。すべてを説明し終えて内容が把握できたところで、カードを「近い」「つながっている」と感じる項目ごとに分け、模造紙に配置。それぞれに「環境」「人権」「経済」といった、グループを表す題名を付けていきます。


最後に、全チームの模造紙を共有。「なるほど~」「確かに」と、他のチームの分け方や題名の付け方に感心したり、共感する声が聞こえてきました。


「共通の『課題』と、お互いへの『関心』が重なったとき、『協力』が生まれます」―そうれいちぇるが話すように、「参加型」とは、「ただおしゃべりをすること」ではなく、参加者同士の「共感」や「気づき」を生み出す手法なんですね。


 


午前の部はここまで。お昼休憩をはさみ、午後の部が始まります!


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午後は「気候変動」をテーマにした、流れのあるワークを体験しました。


まずは気候変動に関するクイズにチームで挑戦!緊張がほぐれた様子の参加者の皆さん。チーム内で自然と自分たちの知識を持ちより、正解を目指します。実は「クイズ」も、参加型教育の有効な手法。自分で問題を解くと、正解が気になりますもんね。


「全然違う!」「意外とあっている!」「地球、思っていたよりヤバいかも・・・」と、会場からはさまざまなリアクションが。


 


クイズの後は、ロールプレイング。海面上昇に悩む国・キリバスに住む男性や、出稼ぎ中の夫の代わりに農作業・家事・育児をすべて担うネパールの女性、食糧難に苦しむホッキョクグマなど指定されたキャラクターになりきり、環境問題の影響の大きさをグループのメンバーに訴えました。


 


その後、「10年後の予想図」や「気候変動の原因」をブレインストーミングや因果関係図で探りました。ワークショップを通じて見えてきたのは、「自分も気候変動に関わっている」ということ。


「覚えておきたいことやこれから実行しようと思うことは、『口に出す』のが大切!」というれいちぇるの号令で、【気候変動をめぐる問題解決のために大切なこと】が書かれたシートの中から、【①大切だと思うこと/②効果がありそうなこと/③すぐにできること/④自分もやってみたいこと】を、各自グループ内で宣言しました。


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「SDGsは遠い国の誰かが作った目標ではないから、もしも自分の思う課題が17のゴールに入っていないなら、それは18番目のゴールになるかもしれません」と、れいちぇるは言います。


参加者からは、「子供たちの記憶に残るための手法を学ぶことができた」「生徒が自分ごとにできるよう、教えるだけでなく一緒に実践していきたい」「地域の公民館での活動など、いろいろな活動に展開していきたい」といった感想が寄せられました。


時間が足りない!と感じるくらい、とっても濃い内容だった4時間のセミナー。「考え」、「伝え」、「話し合う」ことの大切さがぎゅっと詰まった時間でした。