高校生から学ぶSDGsセミナー

実施報告

無 料

高校生から学ぶサステナビリティー
~自然環境に配慮したものづくりについて~

団体名: 長野県下高井農林高等学校の皆さん

自然の恵みの大切さを学ぼう!クラフトワークショップ開催!

住みやすい地域づくりをベースに、伝統工芸の技術の継承や、自然との共生を意識した活動に日々奮闘している下高井農林高校の皆さんがどのような活動をしているのかお話ししてくれます。
そして、生徒さんたちからミニほうきやバンブーキャンドルの作り方を教えていただきます。
こうしたお話や体験を通して、私たちにできることを一緒に考えてみませんか?

是非、親子でもご参加ください!

開催概要

開催期間:

2022年7月2日(土) 13:00~15:30(予定) ※開場12:30

会場:

松本商工会議所 301会議室

受講料:

参加費無料 小学高学年からもご参加いただけます

定員:

20人

備考:

※会場には駐車場がありませんので、公共交通機関をご利用いただくか、お近くの有料駐車場をご利用ください。

高校生から学ぶサステナビリティー ~自然環境に配慮したものづくりについて~

掲載日:2024年11月21日

自然の恵みの大切さを学ぼう!


「高校生から学ぶサステナビリティー~自然環境に配慮したものづくりについて~」


クラフトワークショップを開催しました!


開催日時:2022年7月2日(土) 13:00~15:30


会場:松本商工会議所301会議室


団体名: 長野県下高井農林高等学校の皆さん


 


今回講師を務めてくれたのは、下高井農林高校グリーンデザイン科2・3年生の皆さん。下高井農林高校(以下:農林高校)は長野県北部、村の面積の約81%を森林が占めているという自然豊かな木島平村に位置します。


今回のセミナーでは、実際に工芸品を作る体験を通じて、「自然とどのように共生していくか?」「地域独自の産業を、どのようにして未来に伝えていくか?」という課題を「自分ごと」として考えていきます。


 


ワークショップの前に、農林高校の皆さんが「私たちのサスティナブルな取り組み」というテーマでクイズを出してくれました。何問か掲載しますので、皆さんもぜひ挑戦してみてください!


 


Q1:今回製作する「バンブーキャンドル」の竹は、どこから採ってきたものでしょう?


A:長野市豊野西小学校


B:渋温泉の山


C:ホームセンター





正解は…


Bの「渋温泉の山」!


山に増えすぎた竹を伐採することで、竹と他の樹木が共生できる環境を整えます。さらに伐採した竹で「バンブーキャンドル」の製作・販売を行い、この活動を「産業」へと発展させています。


 


Q2:今回製作する飯山市の伝統工芸品「小沼(おぬま)ほうき」の原材料は何でしょう?


A:もろこし


B:稲


C:プラスチック





正解は…


Aの「もろこし」!


「稲」に似た見た目のほうきなので、会場からは「え~!」という声が。農林高校では、ほうきの材料になる「ホウキモロコシ」の栽培からほうき作り、販売までを行い、地域産業の継承に取り組んでいます。


 


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クイズを楽しんだ後は、いよいよお楽しみのワークショップへ!バンブーキャンドル作りに挑戦するチームと、小沼ほうき作りに挑戦するチームに分かれ、作業に取り掛かります。


 


■バンブーキャンドル製作体験チーム


「竹」は昔から身近な資源として重宝されてきました。タケノコは食料に。殺菌力のある竹の皮はお肉やおむすびの包みに。しなやかで強度があるため、ざるや籠(かご)など工芸品の材料に使われてきました。


しかし、近年では竹製品に代わるプラスチック製品が広く使用されるようになり、国産の竹の需要が減少。活用されない竹林も増えてしまいました。


農林高校では、そんな「竹林」を「地域資源」ととらえ、伐採した竹で「バンブーキャンドル(竹筒に穴を開けて作るキャンドルホルダー)」を製作・販売。ひとつの「産業」へと発展させる取り組みを行っています。


 


今回のために、農林高校の皆さんが太くて立派な竹を用意してくれました!バンブーキャンドルの製作手順は以下の通りです。


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1)模様が描かれたデザイン用紙を竹に貼る


2)竹を机に固定し、ドリルで穴を開ける


3)バーナーで竹をあぶる


4)中に光源を入れて完成!


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「竹の中心に向かって垂直に穴を開ける」という一見単純な作業ですが、油断すると隣の穴と繋がってしまうため、集中力と根気が必要です。ドリルを使う大掛かりな作業でしたが、農林高校の皆さんのサポートのおかげで、安全に楽しく製作することができました。


柔らかく幻想的な光が美しい素敵な照明に、参加者の皆さんも大満足の様子でした。


 


■小沼ほうき製作体験チーム


「小沼ほうき」は、飯山市常盤小沼地区で明治の初め頃から生産されてきました。農家の方々の冬場の副業として、一時は一冬に3万本ほど生産されていたそうですが、生活スタイルの変化による需要減や、作り手の高齢化、後継者不足という課題に直面しています。


農林高校では、生徒自らホウキモロコシの栽培から収穫、そして繰り返しほうき作りの練習をすることで、受け継がれてきた確かな技術を身に着け、次世代へとつなぐ取り組みをしています。


 


今回は、卓上のちょっとしたお掃除に便利な「ミニほうき」を製作しました!


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1)ホウキモロコシの穂をまとめ、糸でしばる


2)持ち手になる「ガラ」を穂に巻き付ける


3)ガラの間に糸を通しながら、10周ほど編み込む


4)余分な穂とガラを切り、持ち手に糸を通して完成!


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穂がばらけないように糸を巻いたり、細かく整然とした網目を作るのは至難の業。農林高校の皆さんは修行を重ねているためさすがの手際でしたが、参加者は苦戦する人が続出(笑)。「これで合っているのかな…?」「難しい~!」という悲鳴がそこかしこで響いていましたが、農林高校の皆さんの丁寧な説明のおかげで、立派な小沼ほうきを作ることができました!


 


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セミナーの中では農林高校の生徒の一人が「須賀川(すがかわ)竹細工」の製作実演を行う場面も。彼のおじいさんがなんと「日本で唯一の須賀川竹細工職人」だそうで、中学生だった5年前から竹細工を習い始めたと言います。


須賀川竹細工は、長野県民にはおなじみの「ネマガリダケ」の皮を使った、美しさと実用性を併せ持つ竹細工。ざるや籠(かご)からコーヒードリッパーまで、さまざまな作品が作られています。しなやかで壊れにくく、大切に扱えば10年以上使える上に、もし壊れてしまったとしても、職人のところに持っていけば直してもらえるのだそう。


山ノ内町須賀川で発祥後、300年以上続く伝統工芸ですが、需要の減少や職人の高齢化により、衰退の一途をたどっているといいます。生徒さんは「こんなに長く続いてきたのだから、ここで終わらせたくない。もっと広めていきたいです」と話してくれました。


 


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今回のセミナーでは、


・『不要だと思われているもの』を『資源』として活用することの重要性


・地域の伝統的な産業の素晴らしさ


を学ぶことができました。日常で使うものも、自分で作り、製作者が「どんな思いで作ったか」を知ると、「大切に使おう」という気持ちが自然に湧きますよね!


農林高校の皆さんの活動を、今後も応援していきましょう!