企業向けセミナー
実施報告
WEB講座団体名: (株)キャリアトラスティング / クリエイディブ ラボ
SDGsをどのように企業活動や社内教育・人材育成に活かすのか。ビジネスコンサルタントをお招きしSDGsの取り組みについて学ぶ機会を設けました。ぜひこの機会にご参加ください!
セミナー① 『今、取り組むべき持続可能な人材育成~SDGsが企業経営を変える~』
【セミナー概要】
新型コロナウィルスにより、これまでの概念や人々の行動、そして、価値観が変化しつつあります。企業が存続し続けるためにもSDGsへの取り組み、そして、今いる社員の能力開発がますます重要になりつつある今、それらをより真剣に考える機会とします。
【講 師】
(株)キャリアトラスティング 代表取締役/内定塾長野校 塾長
霜鳥光氏
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【プロフィール】
総合人材企業で営業に従事する傍ら 2,000人以上にキャリアコンサルティングを行ったことが転機となり、2014年株式会社キャリアトラスティング設立。2011年から従事した国立大学法人信州大学キャリア形成論非常勤講師として学生の将来に対する不安や悩みの多さに需要を見出し、同年長野市に就職活動支援の「内定塾」を開設。キャリアコンサルタントとして、学生や転職希望社会人に“自分の人生は自分で創る”ことの大切さを説く。エンゲージメントを高め、今いる社員で最大の成果を出し続ける自社オリジナルプログラムを用いた人材育成研修実績は2,700回を超える。
2017年度、一般社団法人長野法人会機関誌に『“ヒト”を活かす秘訣~今いる社員で最大の成果を出す秘訣~』を執筆すると好評を博し、その年の経営実務研修講師指名№1になる。
2018年度は『「辞めない」「病まない」「やる気が出る」3本の“や”の人づくり』と題して執筆。
2019年10月、長野県SDGs推進企業第2期に登録。
【専門資格】
・国家資格2級キャリアコンサルティング技能士
・2030SDGs公認ファシリテーター
・SDGs de 地方創生 公認ファシリテーター
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セミナー② 『未来を創る 〜SDGsと採用戦略~』
【セミナー概要】
学生の間では、もはやSDGsに取り組むことは当たり前となりつつあります。学生や地域社会に求められる企業作りを目指すには、まず、「SDGsに取り組み、結果を出すことが大切である」という考えをベースに、SDGsからの企業理念に基づく採用戦略マーケティングの設計図について考えます。
【講 師】
ソーシャル デザイン センター代表/クリエイディブ ラボ チーム 未来のMikata代表
岡田義彦氏
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【プロフィール】
1956年長野市生まれ。商業カメラマン事務所に所属して広告業界に入りその後、30余年広告制作プロダクションにてCD、プランナー、コピーライターとして、主にマス媒体を扱う。
退職後、個人事業「クリエイディブ ラボ チーム・未来のMikata」設立し、地域企業を高校生に知らしめるUターン促進活動や中小企業向けのマーケティング コンサルティングやマーケティング講座・セールスライディング講座も開講し学生や高校生の受け入れ先である地域企業のより良い発展をサポート。また、地域の社会課題への取り組みを公的組織や社会福祉協議会等と一緒に取り組み、SDGs達成へ向けたサポートも行っています。
発行:長野県高校生のためのハローキャリア・ガイド
イベント:「企業と高校生のコミュニケーション展」
高校生向け「キャリア・セミナー」開催
企業向け「採用戦略セミナー」開催
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開催期間:
6月23日(火)14:00~16:00
受付締切:
定員になり次第締切
会場:
オンラインセミナー(zoom)
受講料:
無料
掲載日:2020年06月23日
SDGsを多くの人に学んでいただくため、NAGANO SDGs PROJECTでは、これまで数々の公開講座や出前授業を行ってきましたが、今回は新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでのセミナーを開催しました。「企業×SDGs 活用セミナー」ということで、持続可能な社会に向けて今できることは何か、SDGsをどのように企業活動や社内教育・人材育成に活かすことができるのか―。2人の講師を迎え、講演していただきました。
■■ 第1部■■
【テーマ】「今、取り組むべき持続可能な人材育成~SDGsが企業経営を変える~」
【講師】(株)キャリアトラスティング代表取締役、内定塾長野校塾長 霜鳥 光氏
新型コロナウイルスの影響で、飲食店をはじめ全国で大多数の企業が打撃を受けています。新しい生活様式やこれまでと違う働き方を余儀なくされ、以前と比べて皆さんの意識や価値観も変化していることでしょう。
そんな今こそ、ターニングポイント。持続可能な人材育成のためには、「セルフマネジメント」=「『自』に向き合うこと」が重要だと霜鳥さんは語ります。
「『自』と向き合う」とは、自分はどうありたいのか、他人にとってどんな存在でありたいのか、つまり「自分自身のあり方」を考えること。そして、この「自」というのは、自分はもちろん自社、自営、自立、自律、自尊、自意識、自粛、自衛なども含まれます。「自分自身のあり方」を考え、さらに「自社のあり方」「自立のあり方」「自粛のあり方」…といったように「自」から派生して考えていくことがセルフマネジメントの一歩となるようです。
「自分のあり方」を考えるポイントは、目に見えない部分=「心のあり方(Being)」を探求することで、そして「心のあり方」こそが、「やりがい」=仕事をする上でのやる気やモチベーションなどの「素」となります。
一方、「働きやすさ」(快適に働き続けるための就労報酬の条件)は目に見えやすいもの。
目に見えにくい「やりがい」と、目に見えやすい「働きやすさ」が合わさって、『働きがい』が生まれます。「働きがいがあり、働きやすい」活き活きした職場は「働きがいがなく、働きにくい職場」よりも対前年の売り上げ伸び率が30%以上も高くなっているという調査結果もあるようです。
社員のやりがい醸成に欠かせないものは2つ。一つは上司部下、会社、同僚との信頼関係、もう一つは自身の仕事に対する誇りや他者との連帯感です。やりがいが大きいほどその人の成長・戦力化につながるそうです。
そもそもやりがいとは、その人なりのやる気やモチベーションであり、他者からも見えにくいもの。企業からの相談で多いという「離職率」に関して、霜鳥さんは「離職率とコミュニケーションの量は反比例する」といいます。「任せて大丈夫、やってくれる」という期待を抱くのはいいけれど、任せっぱなしはNG。困っていることにいち早く気付き、コミュニケーションをとることで離職を防げることもあるそうです。
「やりがい」をもって仕事をするために、次の3つの要素が必要だと霜鳥さんは語ります。
①内発的なモチベーション
報酬や見返りなど外因性によるものでなく、個人の価値観や責任感など、内側からわき上がるエネルギーを生み出すこと。
②楽観性の発揮
希望や可能性を信じ、自分から前向きな展望を持てること
③人生の目的の追求
自分の人生をどう生きたいか、日々の選択を自分の強く大きな目的と結びつけること
・・・これらは、生きがいにもつながる、人生を豊かにする大切な要素です。
個々の社員の「やりがい」や「生きがい」を把握するには、研修、面談、社員満足度アンケート、キャリアコンサルティング実施などの方法があります。いま、コロナ禍で時間がある経営者の方は、ぜひ社員の話を聞いてください。
霜鳥さんは「人の成長無くして企業の成長は無い」と断言します。コロナ禍で時間差出勤、交代勤務、オンライン、ワーケーションなど働くことへの意識や価値観が変わるなか、SDGsの目標一つひとつの重要性がより際立ってきているように思えます。
持続可能な人材育成のため、そして今後、社会・経済・環境の変化やライフイベント、様々なターニングポイントを迎えても出来る限り働き続ける「サスティナブルワーク」のために、「自と向き合う」セルフマネジメントがカギとなりそうです。
■■第 2部■■
【テーマ】「未来を創る~SDGsと採用戦略~」
【講師】ソーシャル デザイン センター代表、クリエイディブ ラボ チーム・未来のMikata代表 岡田 義彦氏
岡田さんは、NPO法人・長野県NPOセンターに協力し、中学校や高校で開催されるNAGANO SDGs PROJECTの出前講座に参加しています。学生の間ではもはやSDGsに取り組むことは当たり前となりつつある今、学生や地域社会に求められる企業作りを目指すには、まず、「SDGsに取り組み、結果を出すことが大切である」という考えをベースに、SDGsからの企業理念に基づく採用戦略マーケティングの設計図について講演しました。
企業の採用活動に欠かせないのが、商品やサービスを売ることと同じ「マーケティング」の考え方。「良い商品があれば売上が上がるように、自分たちの企業が求める優秀な人材を集めれば、将来的に安定した経営が実現する」と岡田さんは強調します。
そして、マーケティングの3つの要素「マーケット(欲しい人材がいるところ)」「メディア(欲しい人材に届く媒体)」「メッセージ(響くメッセージ)」について、掘り下げて解説しました。
■誰に…欲しい人材を具体的に想定
特に「誰に届けるか」という部分が重要で、例えば「元気、明るい」といった抽象的なイメージでは、人によって判断が異なるため、面接官によって基準がぶれてしまう=必要としている人材を選ぶことができません。そこで大切なのが、好ましい人材とはどんな人材か掘り下げ、その人物像を社内全体で共有すること。共有できていないと、インターンや採用試験に来た学生や新入社員を不安にさせ、不信感につながってしまいます。
また、人物像を掘り下げるということは、ターゲットを絞り込むということで、絞り込むほどに、ターゲットに深く刺さるようになる。そして、その絞り込みはターゲットへの「メッセージ」で行うと岡田さん。Webやパンフレットなど採用ツールはもちろん、先輩社員とのやりとりもメッセージになるといいます。
■何を訴求するか…欲しい人材にアピールすべきこと・もの
採用活動は、企業の目的である自社の理念やビジョンを達成・実現するための同士を探すこと。そのため、「理念」「ビジョン」を訴求することで「共感」してくれる人を採用し、共に歩んでいく必要がある―。この考え方を「理念型採用」と呼ぶそうです。
採用活動のゴールは内定を出すことではなく、その人に活躍してもらい、会社を成長させることです。何のための事業か、何のために会社があるのか、企業の根本を理解し共感してくれた人は入社後もぶれず、迷わず、いち早く活躍してくれることが期待できるということです。「共感」には、社長の存在が大きく、社長が自ら想いや苦労話を語る姿勢がファンを醸成するそうです。
■どのように…欲しい人材に届く媒体で、最適に響くメッセージ
キャッチコピーを変える、媒体を変えるなどでテストし、反応の良かった方法を採用するという手法(ABテスト)を用いるそうですが、そこで大切なのが「ブランディング」の考え方。そもそもブランドとは相手がイメージするものなので、相手目線が必須です。
学生目線で考えてみると、現在、社会環境の変化により教育も変化しており、持続可能な開発のための教育(ESD)といった「持続可能な社会づくり」のための担い手を育む教育が始まっています。こうした教育を受けてきた学生をターゲットとするには、SDGsに関わっていることがひとつの価値基準になるそうです。
また、採用活動だけでなく、取り入れたいのがSDGsの目標のように「未来や目標を起点として、いま何をすべきか考える」社会基点のバックキャスティングという思考法。
これは、企業を基点に顧客に向かって商品やサービスを提供するのではなく、社会や地域、環境問題など外部環境の課題を解決することを目標に、商品やサービスを考えること。これまでと違う視点で考えることで新規ビジネスの発掘にもつながるうえ、社会的価値と経済価値=共有価値(CSV:Creating Shared Value)の創造にもつながり、地域社会から認められ、商品・サービスを受け入れてもらいやすい―というメリットが期待できます。
特に、日本企業の96%を占める中小企業にとって、持続可能な企業になるためにはSDGsが必要だと岡田さん。「採用戦略としてだけではなく、自社の社会的な価値を高めるためにもSDGsは欠かせない取り組みとなり、是非理念に取り入れましょう」と提言しています。