NAGANO SDGs PROJECT主催
実施報告
団体名: Save the Children(セーブ・ザ・チルドレン)
掲載日:2024年12月22日
テーマ:「NGOスタッフと考えよう SDGsの達成と世界の課題」
講師:Save the Children(セーブ・ザ・チルドレン)川口真実氏 唐語思氏
受講者:上田市立第六中学校 3年生144名
【本日の取り組み】
「セーブ・ザ・チルドレン」とは、すべての子どもたちが持つ「子どもの権利」が、世界中で実現されることをめざして100年以上活動している国際的な団体です。日本を含む約120カ国で、子ども支援活動を展開。今回の講師である川口さんは、アドボカシ―(政策提言)部で子どもの権利やSDGsに関する普及・啓発活動を担当されています。
上田市立第六中学校の生徒たちはこれまで環境問題や気候変動、それに伴って起こる人権問題について、事前学習を行ってきました。今回の出前授業では、環境問題に焦点を当てたグループワークを行い、ほかのSDGs目標とのつながり、自分たちとのつながりを見つけながら、課題解決に向けた取り組みを考えていきます。
【SDGsってなんだろう】
はじめに、川口さんは「SDGsについてどのくらい知っていますか?」と生徒たちに質問しました。
選択肢の中で、大多数の生徒は「なんとなく知っている」に手をあげました。まずは復習も兼ねて、川口さんによるSDGsについての基本的な説明から今回の講義がはじまりました。
現在の世界には、気候変動、紛争や難民、社会格差、大量生産・大量消費など、解決しなければならないさまざまな問題が山積みです。そこで、これらの問題を乗り越え、より良い世界にするために国連で話し合われた目標が、「SDGs(持続可能な開発目標)」。2030年までに達成すべき目標として定められた17のゴールは、4つのグループに分けることができます。
・1~6番は、お金・食料・水・教育など、生きるために必要な基本的な社会サービスの課題に関するゴール
・7~12番は、エネルギーや産業など、経済的な課題に関するゴール
・13~15番は、気候変動や海や陸の保全など、環境の課題に関するゴール
・16~17番は、平和や平等、そして1~15までの目標達成に必要な課題に関するゴール
SDGsの特徴は、世界全体の課題を「SDGs」として一つにまとめ、途上国だけでなく、先進国も含めた「すべての国が取り組む目標」であること。川口さんは、セーブ・ザ・チルドレンの活動や日本のジェンダー平等の課題を例にあげながら、「SDGsは目標達成に向け、すべての人を“誰一人取り残さないこと”を大切にしている」と教えてくれました。
【私たちにできることってなんだろう】
いよいよグループワークに入ります。今回は「環境問題」がメインテーマ。まず、生徒たちは、気候変動の影響を大きく受ける地域に暮らす同年代の子どもたちが、それぞれの国や地域の環境を守るために取り組んでいる活動についてのストーリーを読み、自分が感じたことをグループで共有しました。生徒たちからは、同年代の子どもたちが世界の問題を解決しようと自主的に活動していることに、「驚いた」「すごいと思った」、ストーリーを読んで「ほかにももっと知りたいと感じた」という声が多く聞かれました。
次のステップでは、「自分たちの周囲にある気候変動や環境に関する課題」をグループのメンバーで話し合い、緑色のふせんに書き出します。「授業で習ったこと、最近見たニュースでもOKです。いろんな視点から考えてみましょう」という川口さんの言葉を聞き、生徒たちはごみのポイ捨てなどの身の回りにある課題から、海面上昇や水質汚染など、世界全体に関する課題まで、さまざまな課題を見つけ、意見を交わしていました。続けて、それぞれが見つけた課題を解決するために「自分に何ができるか」、そして、「周りの人にも協力してもらうにはどうしたらいいか」アイデアを考え、黄色のふせんに書き出しました。
最後に、緑色のふせんと黄色のふせんを貼った模造紙を見せながら、「どんな話し合いをしたのか」をグループごとに発表してもらいました。グループの発表から、「地球温暖化」の影響で多くの問題が発生していることがわかり、中には「異常気象が原因で、グラウンドでサッカーができない」という身近な課題を指摘したグループも。これらの問題に対し、生徒の皆さんは、再生可能エネルギーで二酸化炭素の排出量を減らす、車を停めたらエンジンを切ることを大人に勧めるなど、具体的な解決策を考えてくれました。
川口さんは、各グループが発表してくれたアイデアに対して、一つ一つ丁寧にフィードバックの言葉をくれました。さらに、唐さんからは「課題に対して対策を考える際は、まず『何が一番原因なのか』を知る必要があります。それから、技術革新が進められたり、自分の消費行動を変えていくことができると思います」と解決策を考える上で、大切なことを教えてくれました。
最後に川口さんは、「今日、考えた取り組みをこれからの授業や活動にどんどん生かしてください!そして、皆さんが行動を起こす際のヒントにしてほしいと思います。SDGsの達成には、私たちだけでなく皆さんの力も必要です。みんなで協力して、身近なことから行動を起こしていきましょう」と生徒たちに伝え、授業を締めました。
<参加された生徒さん達の感想をご紹介します>
・今までは一人ひとりで調べたりしていただけだったが、グループワークをして色々な意見を聞けたので良かった。他人を巻き込んでSDGs活動やエコ活動をしたほうがいいというのがなるほどと思った。
・楽しくSDGsについて(地球環境中心に)学べて、もっと詳しく調べたいと思いました。
・世界的な問題でも自分たちにもできることがあることがわかったので協力できる事があればやってみようと思いました。
・自分の知らないところで環境問題によって苦しんでいる人がいて、自分と同じくらいの年の人がその問題に取り組んでいるのに驚いたし、感心した。
・同じ地球に住んでいて同じ年なのに、住んでいる国や地域、環境が違うだけであんなに生活が変わったり、SDGsに対しての意識や取り組みが違うのがなんか不思議でした。
・今起こっている地球環境について、SDGsと関連付けて考えて意見を発表することができました。
・先進国じゃない国の人々のほうが、先進国の人々よりもSDGsについての活動をしていると知ってびっくりしました。日々暮らしている中でも、しっかりSDGsについての活動をしていてびっくりしました。
・世界的な問題でも自分たちにもできることがあることがわかったので協力できる事があればやってみようと思いました。
・実際に活動している人の話を聞けて楽しかったです。世界には色々な活動をしている人がいることを知りました。SDGsの目標達成や課題解決のための対策が色々出てきたので早速実行したいなと思いました。
・総合の授業では知らなかった、地球環境や貧困に悩まされているこどもがたくさんいることがわかりました。また、どうすればいいか考えるだけでなく行動に移すことが大切だと知りました。グループ活動をとおしてみんなの意見を知り、私達にできることはたくさんあることがわかりました。
・私達に関係ないとは思わずに身近な問題と思うことが大切だと思いました。自分にとって何ができるのかを日頃から考え実践することを意識したいと思います。
・地球にはたくさんの問題があり、その一個ずつすごく深刻なものだと思いました。
・環境問題について自分よりも小さい子どもが苦しんだり対策したりしていて、心が苦しんだ。
・自分の知らないところで環境問題によって苦しんでいる人がいて、自分と同じくらいの年の人がその問題に取り組んでいるのに驚いたし、関心した。自分の住んでいる地域の環境問題への対策できることがたくさんあったので、自分でもやってみたいし、学校でも取り組めたらいいと思った。
・他人を巻き込んでSDGs活動やエコ活動をしたほうがいいというのがなるほどと思った。世界にはまだ知らないたくさんの環境問題があって、様々な人が解決に取り組んでいるのがわかってよかった。もっと知りたいと思った。
・他の国では自分たち同じように過ごしているのではなくて、地球環境の影響で色々な問題を抱えて過ごしているのだなと思いました。SDGsについてできることを考えて少しでもSDGsに貢献できるようにしたいと思いました。
・SDGsを達成させるためには今の世界じゃまだ無理だと思いました。私にもできることを取り組んでいこうと思いました。
・同じ地球に住んでいて同じ年なのに、住んでいる国や地域、環境が違うだけであんなに生活が変わったり、SDGsに対しての意識や取り組みが違うのがなんか不思議でした。もっと自分もSDGsに向き合って、沢山の取り組みをしていきたいと思いました。