NAGANO SDGs PROJECT主催
実施報告
団体名: まごねこ事務所
掲載日:2021年06月22日
行動が変われば、未来が変わる! カードゲーム「Get The Point」を通してSDGsを知ろう
佐久平総合技術高等学校の望月先生を講師に迎え、佐久市立望月中学校3学年78名の生徒がカードゲーム「Get The Point」を通して、持続可能な開発とはどういうことかを学びました。
全体が9つのグループに分かれ、その中でさらに4チームに分かれます。各グループに配られたのは、カードゲームのセットが入ったクリアケース。さっそく円になって準備開始です!
【準備】
【ゲームのルール】
資源カードを使って、1チーム1つずつ順番にアイテムを作っていきます。各アイテムにはポイントがついていて、チームまたはグループでポイントを競います。アイテムカードには最大4つの色がついており、同じ色の資源カードを使ってアイテムを作ることができます。
例:「車」が欲しい → 鉄、レアメタル、化石燃料の資源カードが必要
:「お寿司」が欲しい → 動物×2、植物の資源カードが必要
・使った資源カードはゴミ箱に入れる
・回復する資源カード:木材、動物、植物は1周ごとに残りの枚数の倍に回復する(ただし、8枚より多くならない)
・同じアイテムをいくつ作ってもOK
・すべての資源を使い切ったらゲーム終了
【1ゲーム目】
1回目は、グループ内での勝負。4チーム中、一番ポイントをゲットできたチームが優勝です。
各チームが自分の欲しいアイテムをどんどん取っていった結果、早いグループでは2周ほどで資源カードが尽きてしまい、ゲームオーバーに。ゲームを終えて、ポイントが一番高かったチームからは、「家と車を2つずつ持ってる!」などの声が聞かれました。回復しない資源カードを使うアイテムを、多く持っているチームが勝ったようです。
「1ゲーム目は欲しいものを自由に手に入れられる状況でしたが、現実の世界では『もうこれ以上使えない』という資源もあるかもしれません」と望月さん。
そこで、ちょっとだけルールを変更して、もう一回ゲームをすることに。
【新ルール】
・10 周終わった時点で、4チームの合計ポイントが最も多いグループの優勝
・同点の場合、残っている資源の種類が多いグループの勝ち
→それも同じ場合は残っている資源カードの枚数が多いグループの勝ち
・10周続けられない&11周目ができないグループは失格
2ゲーム目を前に、各グループで作戦会議が開かれました。「全員で協力して、回復できない資源カードを調整しながら使っていこう」「まずはできるだけ漬物(緑の資源カードを2枚しか使わないアイテム)と交換しよう」などの作戦が聞こえてきました。
【2ゲーム目】
1ゲーム目と違い、10周のうちに何回か「クライシス」と「サスティナブル」というアクションが発生。クライシスとは、事件のこと。各グループに配られた赤いカードから一枚を引き、書かれている特別ルール(その周のみに影響)に従わなければなりません。
例)異常気象→植物の残りの枚数の半分+1枚をゴミ箱に移さなければならない
「サスティナブル」が発生した場合は、白いカードから一枚を引き、クライシスと同様に書かれている特別ルール(その周のみに影響)に従わなければなりません。クライシスと違って、資源にとっていいことが起きます。
例)自然エネルギーカード→このカードを化石燃料の代わりに使うことができる
なくなりそうな資源カードがあると、「○○は使わないように!」と声を掛け合う生徒たち。クライシスが発生すると悲鳴が聞こえたり、頭を抱える生徒がいたり。一方でサスティナブルが発生すると、会場に拍手が起こります。
誰一人取り残されることなく、全グループが10周目を終えることができました。
勝ったグループの勝因は何だったのでしょうか。「環境に気を付けながら、絶やさないようにがんばった。でもほどほどに欲しいものも手に入れた」と1位になったグループの代表の生徒が話してくれました。
「資源の残り具合は?」と、講師の望月さんが尋ねると「あと100周は行ける!」「ほとんど使わなった!」などと答えるチームがほとんどでした。
さて、1ゲーム目と2ゲーム目で、何が変わったのでしょうか。「一番大きな変化は、『目標』ができたこと」と望月さんは話します。1ゲーム目は「家がほしい」、「車が欲しい」と自分が豊かになることだけを考えていましたが、2ゲーム目ではみんなで豊かになることや、どうやったら資源を使い果たさずに回すことができるかをみんなで考えました。
また、10周で終わらせずに、11周目につなげるように意識したことで、生徒たちは「持続可能な社会」とはどういうことかを考えることができたのではないでしょうか。
「目標が変わると、行動が変わります。その変化が、未来を変えてくれます。いま、私たちが暮らす地球でずっと豊かに暮らせるように、みんなで考えて、自分にできる行動をおこしていきましょう」カードゲームを通して、SDGsの本質を学ぶことができた出前授業でした。
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出前授業の様子をアンケートでご紹介します。
・SDGsは、17個も目標があるし、難しそうでしたが今日のゲームを通して自分たちのできることや節約、節水できるものは、どんな少ないことでも続けていけば明るい未来につながっていくと思いました。
・今まで、SDGsのことに、どういう風に取り組めばいいか、分からなかったし、自分にできる事はあまりないんじゃないかと思っていました。でも、今日のカードゲームなどで、自分でSDGsに取り組める事がありそうだと思ったので、これから少しでも世界の環境で取り組める事があったら、自分からやっていきたいです。
・地球上で住む上、私たち人間は環境のことも考え共に過ごしていこうと思った!害になるものは無だに使わないようにする。
・SDGsと聞いてもうまく想像が出来なかったけれど、ゲームをやったら少し分かった気がしました。次の代、その次の代まで、先の事を考えながら過ごしていきたいと思いました。
・今回の授業で、普段の生活をあらためることが、必要だと思いました。皆で話し合って考えていくことで、問題の解決策がみえてきたり、互いに気をつけあうことができるので、そういう時間やきかいは、大切にしたいと思いました。
・今日の始めは、自分の欲のあまり資源を自分のためなら、ほかの人のことを何も考えずに使いまくってすぐ資源がなくなってしまってでも今日のゲームをしたあとは、資源をどのように使えば、この次もつづけられるのかを考えられるようになっていてとてもよかったです。
・世界の大半の人たちは今のことしか考えていなくて、ぼくもそのうちの1人で、資源には限りがある。だから未来のために資源を大切にしたり、人々の平等や世界をきれいに保つことは大切なことなんだなと思った。
・SDGsを分かりやすく説明するゲームはとても楽しかったです。目標を変えることによって自分達の行動も変わるんだと思いました。・2030年に全部の目標が達成しているのを見てみたいです。そのためにも雀の涙程かもしれないけど電気の無駄遣いをしない効率よく消もう品を買うなど、していこうと思いました。
・世界が2030年までに達成する目標だから私1人では何にもならないけどみんなでやればできるんだと思った。本当に小さなことでも続けてやっていきたい。責任をもって行動することも大切なのかなと思った。
・SDGsは、今の自分達のためでもあるけど、一番は、「後に来る人」のためだということが分かった。2030年までに課題を達成するには、資源を大切にする事や身近な植物を大切にしたりすることが大切だと思った。