協賛サポーター主催
実施報告
団体名: 生活協同組合 コープながの
掲載日:2021年06月21日
「生活協同組合コープながの」さんによる出前授業が、長野市立柳原小学校で開催されました。講師であるコープながの組合員理事の手塚さんと清野さんのお話に、6学年65名の児童たちが耳を傾けました。
生活協同組合とは、消費者自身が出資して運営されている団体で、生協とも言われています。全国で約3000万人の組合員がいる消費者組織です。コープながのは組合員32万人で、長野県で一番大きな消費者団体だそうです。主に宅配事業を行っているので、かわいい男の子のキャラクター(ほぺたん)が描かれたトラックが町中を走っています。「トラックを見たことある!」と手を挙げる児童も見られました。
①SDGsってなあに?
小学生にもわかりやすいよう、紙芝居風にSDGsの解説がありました。
【紙芝居:「SDGsってなあに?」ストーリー】
私たちが生きている地球のおはなし。
いま、地球では石油や石炭など化石燃料にたよる生活で温室効果ガスが空を覆い、暖かくなっています。
地球の温度が上がると、台風やゲリラ豪雨が増えます。
逆に、雨が降らないことも。野菜や果物が取れなくなるかもしれません…。
人間の都合で木を切ると、森で生活していた生き物たちが住めなくなります。
ごみをポイ捨てする人が増えると、海にあふれて生き物たちが困ります。
海も陸も空も、地球は困ったことになっています。
生き物たちだけではありません。私たち人間にとっても大変です。
世界のどこかで絶えることなく続く、紛争やテロ。
いつも犠牲になるのは、きみたち子ども。
このままではいけない。みんながハッピーになるにはどうしたらいいだろう?
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そこで、登場するのがSDGsです。
2015年、国連総会で150を超える国のリーダーが参加し、世界の国々が団結して地球の危機を回避するための17個の目標(ゴール)をつくりました。誰一人取り残すことのないよう、2030年までに達成することを目指しています。「あと9年しかない!」と児童から驚きの声が上がりました。
コープでは、SDGsのゴールのひとつである「12 つくる責任つかう責任」につながる「美ら(ちゅら)島応援もずくプロジェクト」という取り組みを行っています。
【美ら島応援もずくプロジェクトとは】
沖縄最北、「伊平屋島」のウミガメが産卵できる自然環境を守るために、2010年よりスタート。コープの商品である「もずく」の売り上げの一部を島に寄付し、漂着ゴミの運搬・処理や砂地の浄化など、自然環境保護活動に活用します。
「きれいな砂浜がずっと続くよう、沖縄や海から遠い長野県にいる私たちも、もずくを買うことで応援できます」と手塚さん。
②SDGsとエシカル消費
今回の授業テーマ「SDGs」を達成するために、私たちにできる身近な取り組みのひとつとして、「エシカル消費」のお話がありました。
エシカルは日本語でいうと「倫理的」。エシカル消費とは、お買い物をするときに「便利」「安い」といった自分の都合だけでなく、「どこで、誰が、どのように作っているのか」に配慮した消費行動です。エシカル消費のための具体的な行動を教えてもらいました。
1)環境に配慮した商品を買う:認証マーク
環境に配慮した商品にはさまざまな「認証マーク」がついています。認証マークがついた商品を選ぶことが、エシカル消費につながります。児童たちは、商品の包材の中からマークを探すゲームを交えて楽しく学んでました。
2)環境に配慮した商品を買う:プラスチック問題について考える
海に流れ着く「海洋プラスチック」は年間800万トンにもおよび、世界中でプラスチックごみを減らす課題に取り組んでいます。日本人1人あたりのプラ容器包装の廃棄量は、米国に次いで世界第2位という調査もあるほど、プラスチックが日常にあふれている日本。「『このプラ余分じゃないかな?』と、買うときに立ち止まって考えることや、利用したプラは分別するなど、最後まで面倒を見ることが大切です」。
3)環境に配慮した商品を買う:食品ロスを減らす
食品ロスとは、まだ食べられるのに、食べることなく捨てられてしまうこと。日本の家庭での年間食品ロス量(2017年)は284万トン。うち、41.9%が食べ残し、35.3%が直接廃棄(未開封のまま捨てる)とされます。「スーパーでは食べられる量を買うようにし、期限が間近な商品を選びましょう。それが、フードロス削減につながります。」
4)人々・社会に配慮した商品を買う:フェアトレード
「フェアトレードって知っていますか?」という問いかけに、「しらなーい!」と答える児童、多数。フェアトレードとは、発展途上国の農産物や製品などを、市場の価格で買い付けるのではなく、生産者の生活が成り立つように考慮した「フェア=公正な価格」で継続的に輸入し消費する取り組みです。大人の労働環境や生活が安定することで、子どもたちが労働から解放されて学校に行くことも可能になります。
5)人々・社会に配慮した商品を買う:ハッピーミルクプロジェクト
「ハッピーミルクプロジェクト」は、コープの牛乳の売上げの一部をユニセフに寄付し、アフリカの子どもたちの栄養改善を支援する取り組み。現在支援しているコートジボワールでは、およそ13人に1人が5歳の誕生日を迎えることができず、年間7万人もの子どもたちが主に栄養不良で命を落としています。プロジェクトで寄付されたお金は、健診、治療ができる保健センターを作ったり、そこで指導する職員を育成してお母さんたちに栄養や育児の知識を広めるために使われています。
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最後に、みんなで考えました。
世界をハッピーにするための「マイアクション」は??
・食べ残しをしない
・人種差別をしない
・リサイクル製品を買う
などの意見が児童たちから出ました。
1人1人にできることは小さいかもしれませんが、理解して行動することが増えれば、地球の命をつなぐことはできます。「みなさんがSDGsを理解して、サステナブル(持続可能)な生活を始めてくれることを期待しています」と、本日の授業を締めくくりました。
■出前授業アンケートをご紹介します。
・物を買うときは、環境にやさしい物を買おうと思いました。値段だけではなく、マークもチェックして買い物をしたいです。食品ロスをしないように、残さず食べようと思いました。
・SDGsについて、自分がどんなことをしたらいいのか、今、どんなことが問題になっているかが分りました。・私はレジぶくろをもらわないようにしたいと思いました。
SDGsについては、ニュースや授業などでやっていたので、聞いたことのある言葉だったけど、こんなに目標などがいっぱいあるということにビックリしました。私にできる事は、・食べ物をのこさない・むだに物を買わないこと。だと思うのでしっかりとやりたいです。
・できるだけ、リデュース、リュース、リサイクルをやる。
・地球は今けっこうあぶないと思いました。
・SDGsについてよく分りました。「自分たちができることがあったんだ」と思いました。これからは、自分たちができることをしたいです。
・今日の話を聞いてこれからも地球のために出来ることがあったらやりたいです。リサイクルができる物を買っていきたいと思いました。SDGsを実現するためにできることを考えたいと思いました。