NAGANO SDGs PROJECT主催

実施報告

SDGsと途上国の教育・ジェンダー不平等の問題について理解を深めよう!

団体名: 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン

開催概要

6月9日(水)小布施町立小布施中学校で出前授業 SDGs ジェンダー平等について考えよう!

掲載日:2021年06月09日

今回出前授業に参加してくれたのは、小布施町立小布施中学校1学年の皆さん。ZOOMウェビナーとiPadを用いて、各教室で出前授業が行われました。


 


今回の講師は、大学在学中にシルクロードを旅して、紛争の爪痕や貧困の現状を目の当たりにしたという澤柳孝浩さん(長野県飯田市出身)。その後イギリスで開発学を学び、現在は公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンのアドボカシーチーム(課題を多くの人々に知ってもらうための啓発活動を行ったり政府に課題解決のための政策提言をするチーム)に所属しています。


 


プラン・インターナショナルとは、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGO。設立は80年以上前で、日本でも活動して40年以上と、歴史ある団体です。今回は、どんなお話が聞けるでしょうか。


 


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プラン・インターナショナルが、SDGsにおいて特に力を入れているのは、


「4.質の高い教育をみんなに」と「5.ジェンダー平等を実現しよう」の達成。


 


今回の出前授業では、特に「5.ジェンダー平等を実現しよう」について考えるべく、生徒たちは以下の質問に対して「自分の経験や、それに対してどう思ったかを書き出してみる」というワークショップに挑戦しました。


 


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1)家庭や学校、地域で、性別によって違う扱いを受けたことがあるか。


2)「女の子」、「男の子」だから何かをしなければならない、


もしくはしてはいけないと言われたことがあるか。そのことに対して納得しているか。


 


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「男の子」側からは、


・重い荷物を持つのはいつも「男の子」の方。


・けがをしても、痛がるのを我慢しなければならない などの声が。


 


「女の子」側からは、


・当たり前のように家事をしなければならない といった声が上がります。


 


意見を出してくれた生徒は、いずれも納得していない様子です。


 


 


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話題は「身近な問題」から「世界の問題」へ移ります。


映像教材※の鑑賞やクイズで、世界の「女の子」や「女性」の問題にフォーカスしていきます。


 


実際に授業で出題されたクイズを1問紹介します。


皆さんもぜひチャレンジしてみてください!


 


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Q:世界の非識字人口7億8,100万人のうち、3分の2が女性だと言われています。


2000年と比べて、非識字人口は何%改善したでしょう?


 


A:1%


B:10%


C:50%


 


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皆さんは答えがわかりますか?


 



 



 



 


正解は、Aの「1%」!


生徒からは「えぇぇーーーっ!」と驚きの声があがります。


 


このほかにも、早すぎる結婚や妊娠、日本社会が抱える社会経済的男女格差などからクイズが出題されました。


 


男女の扱いの差に驚いたり、フクザツそうな反応を見せる生徒たちに、澤柳さんが一言。


「もやもやしませんか?腹が立ちませんか?このような問題を引き起こすのが、『ジェンダー不平等』なんです」。


 


そもそも「ジェンダー」とは、一般的に「社会的に作られた性別のこと」を指します。そして、「男性はリーダーに向いている」「女性は家事や育児に向いている」といった、社会的に期待される「あるべき姿(ジェンダー規範)」がジェンダー不平等の根本的な原因だと考えられています。


またこの世には、「男性」と「女性」、2つの分類に当てはまらない、多様なアイデンティティ(LGBTQ)が存在し、「ジェンダー」はそれらの人をも苦しめます。一刻も早くアップデートしなくてはならない価値観の一つです。


 


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授業の終盤に、澤柳さんは「『Because I am a Girl』という言葉を、聞いたことがありますか?」と問いかけました。


 


プラン・インターナショナルが2007年より展開してきたキャンペーンのひとつである「Because I am a Girl」。この言葉が生まれた背景には、こんなストーリーがありました。


 


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あるドイツ人ジャーナリストがネパールへ取材に行った際、男の子は制服を着て元気に遊んでいるのに、女の子は薄着で凍えているのを目の当たりにした。


ジャーナリストが女の子の母親に「どうして彼女はあんな恰好をしているの?」と問いかけると、母親は答えた。


「Because she is a girl(だって、あの子は女の子だから)」。


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課題を根本から解決していかないと、母から娘へと「Because I am a Girl」が受け継がれる負のループが生まれてしまいます。SDGsは「誰一人取り残さない」開発目標。ジェンダー平等の達成なくして成り立ちません。


澤柳さんは「ジェンダーは、学び始めると奥が深い。自分自身も常にアップデートする必要がある」と講義を締めました。


 


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実は、講座のはじめに生徒に対して行った認知度アンケートで、認知度が0%だったプラン・インターナショナル。


ですが、今回この講座で学んだ「女の子の抱える課題」や「それを解決しようと奮闘する団体の取り組み」は、きっと生徒たちの心に焼き付き、「ジェンダー平等」達成に向けた、確実な一歩となったことでしょう!


※「女の子だからピンク? 男の子だから青?」/プラン・インターナショナル


【動画URL】https://www.youtube.com/watch?v=zPvZ-COD1Dw


 


出前授業の様子をアンケートでご紹介します。


・男子でも女子でもみんな平等に生活できる環境にしてほしいし、それを当たり前に思える環境をみんなで作っていきたちお思った。また、女子だから、男子だからっていう言葉をあまり使わないように自分も気を付けるし、周りの人も気を付けてもらいたいと思った。

・まず、印象に残ったのは、女性への差別はまだまだ全然よくなっていないのかと思いました。まだ、SDGsの中にある「ジェンダー平等を実現しよう」という目標は、一番達成しなくてはいけないものだと思いました。今日、学んだことをこれからいかしていきたいと思います。

・今日分かった事は、自分たちが当たり前なこと(学校に行くなど)ができていない人たちが世界には何万人もいる事が分かった。家が貧しい人や苦しい生活をすごしている人のことを助けてあげたいと思った。自分たちでやれることがあればやりたい。

・私達くらいの年齢で、出産しているという人がいるのは知っていたけれど、1日800人も亡くなっているのは知りませんでした。亡くなっているという事実があることにとても驚いたし、日本からもっと救いの手を差し伸べることはできないのだろうかというふうに感じた。いいように子供が使われてしまうのは本当に許しがたい。そのせいで命が消えてしまうのは直接私に関係なくても胸が痛むような思いでした。


・男性、女性は見た目が違うだけだから、何かを決めつけたり、男性だから女性だからというのをなくしていきたい。一人ひとり思う事(感じ方)が違うから、ジェンダー平等な社会にしていきたい。


・「全員が幸せになるために」という言葉が単純だけど、いい言葉だなと思いました。ジェンダーの意味が「社会的に作られた性別」と知って、本当にそうだなと思いました。女性は差別されているけど、本当は強いと思いました。


・女として生まれてきたから、女らしく生きていかなきゃいけない。男として生まれてきたから、男らしく生きていかなきゃいけない。」ではなく、自分は自分なので自分らしく自分の生きたいように生きていけばいいと思った。


・ジェンダー平等は必須というか「義務」だと思います。「女性はかせげない」「女性は家で家事をするもの」どいったようなことが常識になっている国もあるようです。女性の地位を下げるようなことは決してあってはなりません。女性の地位向上に携わっていきたいです。

・日本も世界に比べたら、あまり変わっていなくて、男女を差別するような発言を気にしている人はけっこういるんだと感じました。私自身を男女を差別するような発言をしているかもしれないです。今までは、考えてこなかったけど、これから一言一言気を付けながらジェンダー不平等の世界からジェンダー平等の世界にしていきたいです。


・授業を受けて、SDGsの目標にあるジェンダー平等が達成しないと、SDGsの目標は達成しないと思いました。2030年までには達成するとありますが、今のままでは無理なのではないかと思いました。ですが、無理だからといって、そこであきらめたらいつまでたっても達成できないので、まずは意識をもってというところから始めて、自分たちができることをやってみたいです。

・SDGsが2030年には全て達成されて、平和で自由で平等な世界ができても、また差別が起こり始めるんだろうな。それが起こらなければ本当に平和で自由で標ぼうな世界になったといえると思います。