NAGANO SDGs PROJECT主催

実施報告


団体名: 諏訪SDGs教育ゲーム開発チーム

開催概要

2023年6月29日(木) 小布施町立小布施中学校「竜王高原学習」での出前授業

掲載日:2024年12月21日

団体名:諏訪SDGs教育ゲーム開発チーム


講師 :両角太先生、木下栞先生


場所 :ホテルタガワ


受講者:小布施町立小布施中学校  1年生101名


 


今回の出前授業は、竜王にあるホテルタガワさんのホールをお借りして開催しました。諏訪SDGs教育ゲーム開発チームの両角先生と木下先生を講師に迎え、小布施中学校1年生101人が参加。竜王での高原学習の一環として、ゲームを通して楽しくSDGsについて学びます。


 


まずは、グループのみんなで価値観を合わせる「常識そろえましょうゲーム」。例えば、「給食に出る野菜といえば?」というお題に対して、グループの中で答えのワードは出さず、「オレンジ色」「ウサギが好きなもの」など具体的なヒントを出し合い、最終的にみんなで「にんじん」と答えを合わせられたら成功です。


 


さっそく「長野県の果樹園で作られている果物といえば?」というお題からゲームがスタート。生徒たちは「赤色」「しりとりでよく出る」「イラストが描きやすい」とイメージワードを出し合い、木下先生のかけ声で一斉に答え合わせをすると、全グループが「りんご」と解答。「長野の果物といえばりんご」という共通の常識が誕生しました!続けて、「30年後はどんな果物が作られているかな?」と木下先生が問うと、みかんやパイナップルなど、今は気候的に長野では育てられない果物の名前もあがりました。それが意味していることは、長野の気候が変わる=地球温暖化です。「もしかしたら30年後、育てられるようになっているかもしれないけど、それって良いこと?」木下先生の言葉に、生徒たちは「良くないと思う!」と口をそろえました。


「寒いからストーブをつける」「生ごみを燃えるゴミで捨てる」など、今の地球は、これまでみんなが当たり前に行ってきたことが、積もり積もって限界を迎えている状態だといいます。木下先生は、「自分たちの未来のために、まずは今の価値観を変えていかなければいけません。そして、さまざまな物事に新しい価値を見つけていくことが大切です!」と生徒たちに伝えました。


 


続いて取り組むのは、「ターゲット称号ゲットゲーム」です。「ターゲット」とは、17個のSDGs目標をさらにカテゴリー分けした169個の活動や目標のこと。4人グループの中でペアを組み、2人対2人で対戦します。


まず、表にターゲット、裏に目標番号が書かれた169枚のコインを並べます。1ターンにつきコインを2枚めくることができ、裏に書かれた目標番号を足した合計が17になれば、コインをゲット!さらにコインを集めると、目標に関連したさまざまな称号をもらうことができ、ゲーム終了後、より多くの称号を獲得していたペアの勝ちとなります。


 


いよいよ1回目のゲーム開始。ターゲットはとにかく多種多様で、すぐに分かるものもあれば、なかなか当てられないものも。生徒たちは「これ何の目標のこと⁉」と頭を悩ませ、最初はSDGs目標の説明シートとにらめっこ状態でした。それでも直感でコインをめくるペア、1枚目から17番のコインを狙うペア、わかりやすい内容で17になる組み合わせを見つけるペアと、それぞれが工夫して取り組みました。


続けて、ペアを変えて2回目の対戦がスタート!1回目で要領をつかんだのか、あるペアは説明シートの中から「農業」というキーワードを見つけ、「貧しい国の農業研究に世界で協力」と書かれたコインをめくると…予想的中!お目当ての「飢餓をゼロに」をゲットしました。さらに、「コインをめくる前にターゲットを口に出して読む」と独自のルールを実践しているグループもあり、1回目に比べてペア同士の会話が増え、称号の獲得率もアップしていました。


 


2回戦目が終わったところで、両角先生が「世の中の課題の捉え方」について話してくれました。「ターゲットを見て、すぐにできそうな活動に気づいたと思います。それを他人ごとだと思わずに、『自分ごと』としてできることを考えて、行動してみてください。そして、いろんな物事について、30年後は?さらにその先はどうなる?と、未来のことを考えられる視点を持ってもらいたいです」と、まとめました。


両角先生のお話を踏まえて行ったゲームの最終戦は、今までで1番の盛り上がり!ほとんどのペアがいくつも称号を獲得し、9つすべてコンプリートしたペアが何組もいました。


 


このゲームのほかにも、竜王のSORA terraceや観光地の写真それぞれに、SDGsをテーマにしたキャッチコピーをつけるワークショップも行いました。今回、169個のターゲットについて学んだ生徒たちだからこそ、いろんな視点・着眼点を持って、素敵なキャッチコピーをたくさん発表してくれました。


 


最後に、両角先生と木下先生は「世の中で起きていることは、回りまわって自分の日常とつながっています。『気づき、考え、行動する』の循環を大切に、これからの学校生活を過ごしてみてください」と授業を締めました。


 


今回、生徒たちはさまざまなゲームを通して、SDGs目標とターゲットのつながり、そして自分たちとのつながりに気づいたことでしょう。高原学習を終えた後、どんなアクションを起こしていくのか、期待がふくらむ出前授業でした。


 


<参加された生徒さん達の感想をご紹介します>


 


・これからの活動もSDGsのことを考えて行動したい。


・差別とか、考えれば考えるほど、問題がたくさん出てくるので、できるだけ考えていきたい。


・ゴミの捨て方を、後のことを考えながら捨てようと思いました。


・他の人がSDGsのことをやっているから自分もやるのではなく、自分から進んでできることをした方がいいと思った。


・僕たちが変えないと。他の人を動かすためには、まず自分が変わらなくちゃいけない。


・今までは、気付いても行動することができなかったけれど、今日の話を聞いて「自分ごと」で考えていきたいと思った。


・これをしたらどうなっていくか、何十年後の未来はどうなるかなどを考えて行動をしたい。


・身の回りの何年後がどうなっているか、何年後がそのままでいられる工夫をしたいと思った。


・このような目標があるというのは、よほど大切なことであるのだと分かったので、自分がそのためにすべき「行動」について考え、実行したいです。


・気付き ⇒ 考える ⇒ 行動するという循環のことをいろいろ考えて実践していきたい。


・いじめをなくすように、人をほめまくったり、小さなことでも感謝していきたい。