2/4開催 出前授業
実施報告
団体名: 独立行政法人 国際協力機構
掲載日:2020年02月04日
今回は、生徒たちにSDGsを伝えるには自分たちから!という想いで、お申し込みしていただき、東信高等学校図書館協議会 学校司書及び教諭の方々を対象にJICA(国際協力機構)の竹内岳さんに特別授業を実施していただきました。
会場は、沢山の本に囲まれた図書館で実施され、また違う雰囲気の中での授業でした。
竹内さんが青年海外協力隊として活動を行ったキルギスは世界でも有数の親日国です。その理由として、顔が非常に似ていることや日本人の乳児期に体に現れる蒙古斑がキルギス人にもあることがあげられます。このことからキルギス人と日本人は昔同じ場所に住んでいたのではないかという伝え話しまであります。
キルギスには男性が気に入った女性を誘拐して無理やり結婚をしてしまうという「誘拐婚」という文化があり、現在は法律で禁止されていますが、地方では未だに行われているそうです。
ところで皆さんは、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」の達成度は、こういう文化が残っているキルギスより日本の方が低いということを、ご存知ですか?
2018年は世界165位という非常に低い順位でした。
「ショック、、、」
司書の方々も驚きを隠せません。まだまだ管理職に女性が少ないことや、最近では「同じ点数なら男性を優先合格させる調整をしていた」という医科大の発言などが例に挙げられます。
次に、JICAの活動である自立支援についてです。例として「魚を釣ってあげるのではなく、釣り方を教えることが大事。」とおっしゃっていました。自立支援をしないで物だけを開発途上国へ送った結果、故障したり、使い方が分からなくて、そのまま倉庫などに放置されているということがあり、青年海外協力隊で派遣された隊員も現地でこのような状況を見ることが少なからずあるようです。このようなことをなくすためにJICAは自立支援を行っています。
そして、長野県内の高校生が行った活動事例のお話しをしてくれました。
2019年12月4日に白馬村が「気候非常事態宣言」をしたことをご存知ですか?これは地球温暖化など気候変動への対策を訴える活動を続けている北安曇郡白馬村の白馬高校の生徒3人が、村に「気候非常事態宣言」を求める住民ら153人分の署名を村役場で下川正剛村長に手渡したことがきっかけとなり宣言されました。
このように実際に長野県内の学生から日本、そして世界に発信していく動きが始まっています。
講座の終盤に司書のみなさんに生徒たちに伝えていきたいことをグループで話し合い、発表していただきました。
「SDGsに少しでも関わりのある漫画、小説も含んだ本でSDGs版ビブリオバトルを開催したい。」
「SDGsは世界のというイメージがあるが、長野県から考えていこうと伝えるために、自分のなりたい職業・興味のある企業の取り組みや理念を知ることから始めさせたい。また、自分が起業するとしたらこんな分野でSDGsに貢献することが出来るのではないかを考えさせたい。」
という意見が出され、具体的に教育現場に落とし込めるような発表を聞くことができました。
最後に「何故JICAの青年海外協力隊を目指したのですか?」という質問が出ました。
「自分の人生の中で、2年間だけでも本気で自分以外の誰かの為に動いてみたいという気持ちがあった。
大学時代に青年海外協力隊を知り興味を持ったが、そのときは自分に知識やスキルがなかったので、一度社会で働いて知識やスキルがついてからチャレンジしようと思っていた。
でも一番の理由は、世界一周で開発途上国に行ったときに見た景色が忘れられないからですかね。。。」
竹内さんの想いにみなさん聞き入っていました。
「今まで何もしてこなかったから興味がある。元気があればやりたい気持ちもある。」
とおっしゃっていた司書の方に対して
「図書館司書を経験した方にしか出来ない活動があると思います、是非お待ちしております!」
最後に竹内さんは笑顔で講座を締めくくりました。