野村證券株式会社 長野支店
実施報告
掲載日:2025年02月05日
蓼科高校商業科の2年生16人が、野村證券さんの出前授業を受講しました。野村證券ではもう20年以上、お金について学んでもらう講座を開き続けているそうです。本日お話してくださる講師は、野村ホールディングスのファイナンシャルウェルビーング室(東京)からお越しいただいた、佐藤由紀先生です。
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ご自身と今年100周年を迎える会社の自己紹介のあと、佐藤先生は早速みんなに「お金が好きな人!」と質問しました。手を挙げたのはクラスの半分ほど。続けて、「みなさんはどんな将来にしたい?○○に住みたい、○○になりたい、○○が欲しい、○○を学びたい・・・それらの希望にはいくらかかるでしょう?」と投げかけました。金融リテラシーを高め、金融に対する知識を持って実生活に活用していくと、夢を実現しやすくなり、だまされにくくなり、経済的に自立でき、借金に苦しまない・・・といったメリットが生まれるそうです。それでは授業開始です。
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■家計管理とライフプランニング
【家計管理】とは、家庭生活を営むための収入と支出を管理すること。いまのところ、みんなの「収入」は、おこづかい、お年玉、バイト代、「支出」は、食べるもの、ゲーム、本、服、あそび・・・そんなところでしょうか。
みんなが仕事をしてお給料をもらうようになったときの、「給与明細の例」を見てみます。例えば、基本給が200,000円、残業代8,000円、通勤手当10,000円とすると、総支給額は218,000円。一方、給与から引かれるのは、雇用保険、健康保険、厚生年金、所得税、住民税などがあり、控除の合計は31,674円、手取り額は合計175,216円。一人暮らしの場合は、支出に住居費と食費が必要になるでしょう。
「収入―支出=貯蓄」とすると、なかなかお金は貯まりません。入ってくるお給料から貯蓄額をまず引いて、そのなかで支出をまかなう「収入―貯蓄=支出」とするのが家計管理のポイント。バランスとやりくりが大事になります。
将来どんな人生を送りたいか、構想を描き、どんな準備をしたら良いか明らかにすることが【ライフプランニング】です。例えば、目標を25歳までに世界一周として(「いつまでに」が重要)、そのためにはいくら必要でしょう?先ほどの給与の手取り175,000円のうち、いくら貯める?手元のワークシートに記入してみましょう。
ここで動画を視聴。「この世はカネや!」が信条の、まねきねこのタマさん。教育費や住宅費、老後資金など、生活設計をしっかり考えて日々暮らしたタマさんと、考えずに目の前のことにお金を使いまくったタマさんでは、どんどん差が開いていくというお話です。
ライフプランを立てて、何にどのくらいかかるか?どのように準備したら良いか?明確にするために、各自ワークシートに記入してみます。隣近所で話し合ってもOKということで、結婚する(したい?)年齢やマイホームのこと、子どもの数など、将来設計を友だち同士で話しました。「1人の方が楽だから結婚しないよ~」という声も聞こえてきました。
ここで、お給料に関連して先生からワンポイント。「正規雇用(社員)と非正規雇用では、若い頃は給与にそんなに差がなくても、非正規はボーナスがないなど収入は増えていかないので、みなさんにはなるべくどこかの段階で正規雇用の社員になってもらいたいです。正規と非正規では、生涯のお給料が倍近く違います。」とアドバイスしました。
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■お金を増やす方法『リスク』と『リターン』
次に「200万円を3年で一番増やしてくれた殿方と結婚したい」と言う、かぐや姫が主人公の動画を視聴。求婚者はそれぞれの方法で運用を試みます。【預貯金】、【国債】、【株式投資】、【投資信託】・・・メリットもデメリットもある、それぞれの商品の特徴を学びました。
「低リスク高リターンの商品はありません。だまされない自信がある人は78.2%というデータがありますが、世の中の金融トラブルは絶えません。」先生は強調し、生徒たちに注意を促します。
・怪しいアプリはインストールしない!
・安易にリンクをクリックしたり、個人情報を入力したりしない!
・「必ずもうかる」話はない。それは詐欺!
・しくみがわからない物には手を出さない!
・怪しいセミナーには行かない!
・金融商品には必ずリスクがあることを知る
そして、投資のコツとして【分散】【積立】【長期】の重要性を教えてもらいました。株価は社会情勢などによって変動し、プロでも予測が難しいもの。リスクを分散した上で、一定額を長期的にコツコツ積み立てることが、実は成果への近道ということでした。
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■ゲームで投資のシミュレーション
最後に、「つみたてGO!」というゲームをみんなでやってみました。先生が掲示してくれたQRコードを各自のPCで読み込み、ログインしてニックネームを登録。オンラインでゲーム開始です!
ゲームの内容は、東証株価指数を表すグラフが画面上で激しい折れ線を描く中、6カ月のうちで各自が「今だ!」と思ったタイミングで購入ボタンを押す、というもの。株価が安いタイミングで買えば、上がった時に運用益が増えます。60,000円ずつの購入を全6回、36カ月でどのくらいプラスになるでしょうか?先生は、『亀』のように何も考えず毎月1万円ずつ36カ月投資をし続けます。さあ、ゲームスタート!
株価の上下にハラハラドキドキ。みんな懸命にタイミングをはかり、ボタンを押します。途中、運用益の高い人ランキングがスクリーンに映し出されます。さすがオンライン!臨場感があります。途中経過で1位だったのは「ベンジャミン」さんですが、最終的には「アニメ好きのゲーマー」さんが1位で決着!拍手!!運用益は16%で57,504円のプラスでした。最終ランキングに自分のニックネームを見つけ、みんなそれぞれの表情を浮かべていたところ、先生からコメントが。「順位の低い人は『自分は投資の才能がない』って思うかも知れませんが、運用は人と比べるものではないです。最下位の人でも結果だけ見れば、30,237円プラスになってるでしょ」。
ちなみに、『亀』のように毎月10,000円ずつ変わらず買い続けた先生は、なんと6位という結果でした!タイミングを選ばず定期的に買う「コツコツ・積立投資」の効果を目の当たりにしました。
「投資」は、ギャンブルのように楽してもうけるものではなく、良い企業にお金を使うことで、社会課題の解決になる行為。でも、その会社がつぶれてしまったらゼロということもある「必ず儲かる」ものではありません。さまざまな商品もそのリスクを理解した上で、向き合っていきましょう、と先生は授業を結びました。
さまざまな金融の知識に加え、投資の面白さを一部実践で感じられた今日の授業。商業を学んでいる生徒みなさんの、これからの学びと人生の糧となることを願います。