NAGANO SDGs PROJECT主催
実施報告
団体名: セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
掲載日:2024年07月19日
国際NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンによる出前授業が、上田染谷丘高校で開催されました。今回授業を受けたのは、学友会(生徒会)の2・3年生と有志の生徒30名。国際理解・国際交流活動に積極的に取り組み、SDGsについても高いアンテナを張る同校では、2022年より、学友会主導のもとSDGs活動や勉強会に取り組んできました。今回はセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン社会啓発チームの川口さんとともに、座学に加え、ワークシートやディスカッションに取り組みながら、「SDGsの自分ゴト化」を目指します。
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出前授業は「SDGs」と「セーブ・ザ・チルドレン」についての説明からスタート。
そもそもSDGsとは、2016年~2030年の15年間で達成を目指す17の目標のこと。貧困、飢餓、ジェンダー、教育、水、環境、経済―ほかにも根深くはびこる世界の課題を早急に解決するべく、国連によって定められた指針です。
では、世界が抱える課題によって、一番に被害を受けるのは誰でしょう?…そう、それは子どもたち。セーブ・ザ・チルドレンでは、政治や気候変動、紛争、飢餓、感染症など、子どもたちが直面する課題の解決や支援を行うことで、彼らが未来に希望を持って生きられるようサポートをしています。
SDGsとセーブ・ザ・チルドレンについて一通りの説明を終えたところで、川口さんは生徒たちに問いかけます。「今、あなたが最も関心のあるSDGsのゴールはどれですか?」生徒たちは次々に手を上げ発言します。
「文化祭で作ったクラスの出し物で、たくさんゴミを出してしまいました。今になって、もう少しゴミを減らす方法があったかもしれないと考えています。だから目標12の『つくる責任つかう責任』に関心があります」
教室からはウンウンとうなずく声が。「確かにそうだね。日本にも産業廃棄物の問題などはありますが、廃棄の設備は比較的整っている方ではないかと思います。道端にプラスチックボトルや車が捨てられている国もあります。車を国外に輸出する場合など、自分たちが生み出したものへの責任を持たなければいけませんね」と川口さん。
国連が決めた目標なんて、自分たちからは少し遠いように感じるかもしれません。でも、「文化祭のゴミ」のように実はとっても身近なもの。すべての物事がSDGsとつながっています。
次に行うのはグループディスカッション。各グループにはそれぞれ「ストーリー❶:ゾドと呼ばれる大寒波の影響で貧困に苦しむモンゴルの子ども」と「ストーリー❷:内紛が起こり感染症が蔓延する中、家族のために働くイエメンの子ども」のどちらか一方が配られます。感想を話し合いつつ、そのストーリーと関連しそうなSDGsの目標をピックアップ。自分たちに何ができるかを考えます。
「ゾドには気候変動が関わっているよね」
「モンゴルは都会でもインフラが整っていないのか…」
「今調べたらさ、イエメンって危険レベルMAXじゃん!渡航できないよ」
「そもそも全部の課題の根本って、貧困にあったりするんじゃない?」
「自分たちでアクションを、ってなると寄付が一番しやすいよね」
「でも、寄付だけしたって助かるのはその時だけだよ」
「やっぱり教育が必要なんじゃないかな」
「今日何かして、明日いきなりよくなるわけがないよね。『何も変わらない』なんて諦めて辞めないようにしないと」
…時に活発に、時に考え込みながら、顔を突き合わせて話し合う生徒たち。
最後には、「寄付をしたり呼びかけたりする」「支援団体を応援する」「まずは自分が政治に興味を持ってみる」といった意見が全体に共有されました。中には、「人道支援に携わるのが将来の夢。私が支援物資を持っていきます!」と宣言する生徒も。
最後に学友会所属の生徒が感想を発表しました。「知っているようで分かっていなかったことが多くありました。自分から遠く感じる出来事は日常を過ごすうちに流れて行ってしまいがちですが、足を止めて、整理できた貴重な時間になりました」。
授業終了後にも川口さんを囲み、質問を投げかける生徒たち。世界のために自分たちができることを真剣に考える、そのまなざしに心が熱くなりました。今回の出前授業は、彼らが見据える「より良い未来」に向けて歩みを進めるための、大きな一歩になったのではないでしょうか。