協賛サポーター主催
実施報告
団体名: 野村證券 長野支店
掲載日:2024年08月08日
日時:2024年8月8日(木)
場所:野村證券 長野支店
参加者:屋代高等学校 1年生5名
今回、野村證券長野支店を訪れたのは、屋代高等学校の1年生5名。夏休み明けに文系・理系のコース選択があるとのことで、将来の就職も見据えて自分の進路を検討するため、夏休み中ではありましたが、金融業界に興味のある5人が集まりました。
【店内見学】
野村證券長野支店ウェルス・マネジメント課の高野さんにご案内いただき、まずは店内をぐるっと見学。銀行窓口のような対面業務から、お客さまとじっくり話をする個別スペースや、バックヤードでPCに向かって作業をする「証券マン」の働く姿など、ふだん直接目にすることのない新鮮な空間を見学しました。
【座学:「株式」の基礎知識】
会議室に戻って、座学の開始です。たくさんの資料を用意していただき、さまざまな「投資」についてわかりやすくご説明いただきました。
最初のキーワードは「インフレ率」。現状2%で推移しているインフレが、このまま20年続くとどうなるか?というグラフを見てみると、20年後の物価上昇率は1.5倍。現在100円で買えているものが、20年後には150円になってしまうということです。現金の価値は20年後には67.2%まで目減りしてしまう試算なので、ただタンスに貯めておく「タンス預金」では、20年後には3割も価値が減ってしまうのです。
資産を積極的に運用する方法の一つに「株式投資」があります。企業が発行した「株」を購入することで、企業の利益の一部を配当金として受け取れたり、株価が上がれば株式売却の際に利益を得られたりします。
「配当金」は、企業からの感謝のしるし。「株主優待」は、自社製品や優待券、割引券などが無料でもらえる制度ですが、海外ではあまり見られないそうです。
「株価」は、売りたい人と買いたい人の需給関係で日々変動します。政治家など有名な人の一言でも変わります。日本で購入できるのは100株単位ですが、中には10万円以下で買えるものもあります。投資する銘柄を選ぶヒントは、自分のアンテナ。テレビや新聞などで見た興味のあるものについて、「どんな会社がやっているんだろう?」と調べるところから始めるといいでしょう。株主優待を楽しみにするのもいいですね。
また、株式とはイコール、会社の「経営権」です。お金を渡して経営を任せ「会社の一部を持っている」状態です。たくさん持っていれば、社長をクビにすることもできます。
【「債券」と「為替」の基礎知識】
「債権」は、貸してほしいという人にお金を貸して利子を得ること。1,000円を貸してほしいと言う人がいたら、タダでなく、利子をつけて貸しますよね。その、1,000円借りましたという証明書が「債券」。債券におけるリスクは、「信用リスク」です。貸した途端にその人が逃げてしまうかもしれません。たとえば、皆さんが毎年利子を100円つけて10,000円を貸す場合、先生と私と比べたら、初対面の私より信頼できる先生に貸したいですよね?
また「格付け」という言葉を聞いたことがあるでしょう。金融の世界では「つぶれない」という信用の度合いを示しています。たとえばオーストラリアという国はAAA(トリプルエー)で信用度がとても高いです。南アフリカはBB-(ダブルビーマイナス)、日本はAA+(ダブルエープラス)で、トヨタはAAA。ちなみに野村證券はA+(シングルAプラス)です。
「みなさん、お金貸して~!」と発行するのが「債券」ですが、種類としては、国が発行する「国債」や県が発行する「グリーンボンド」などがあります。そのほか、APPLE、GOOGLE、MSなどの企業をはじめ、いろいろなところが発行しています。
アメリカでお水を買う時に、「1ドル」と言われたら100円?120円?日本のお金(円)の価値が上がれば数字は少なくなります。これが「為替」。輸入する企業は、円高だと利益が高くなり、輸出する企業は逆になります。トヨタは1円の上下によって、500億もの利益が出たり減ったりします。
【「投資信託」の基礎知識】
「投資信託」は、投資先を勝手に選んで投資してくれる、初心者に向いている投資の方法です。「ファンドマネージャー」という専門家が、投資家から集めたお金をまとめて、債券、株式、不動産など世界中の銘柄に分散投資してくれます。株式は100株単位で買うもので、たとえば1株2,000円のトヨタを買おうと思ったら最低20万円は必要なのですが、投資信託では1万円から買えるものもあります。分散投資なのでリスクも低くすみます。
銘柄選びのポイントは次の通りです。
・どのくらいのリスクがとれる?→値動きの幅(ブレ)を「リスク」と言い、リスクの大きいものはリターン(利益)も大きくなります。
・どんな資産で運用する?→債券、不動産、株式など。
・どんな国、地域に投資する?→知らない国にも気軽に投資できます。
・為替変動のリスクをとる?とらない? →選択できます。
・分配金は受け取る?→再投資するという選択もできます。
・運用方法は?→インデックス運用、アクティブ運用、ESGやITなどテーマ別運用も。
・コストは?→手数料、信託報酬、売却手数料などの違いも確認を。
・運用会社は?→野村證券では世界40の運用会社の投資信託を購入できます。
「投信積立」は、投資信託を毎月定額で買い付けることによって、リスクの軽減効果や平均買い付け単価を抑える効果があります(ドルコスト平均法)。NISAでも多く使われる、流行の投資方法です。
【「コンサルティング業務」の基礎知識】
野村證券「ファンドラップ」は、投資を一任していただくサービス。お客さまの人生設計や夢、お悩みに寄り添い、大切な資産運用をオーダーメイドしています。
代表的な4資産(国内株、外国株、外国債、国内債)の2005年から2023年まで各年のリターンを見ると、どれも年によってマイナスになったり、プラスになったりしています。4資産に均等に投資した場合でも、パフォーマンスの良い年も悪い年もあります。
均等投資の場合の年平均リターンを見ると、1年より3年、さらに5年、10年と年を経るごとにマイナスの率が減っていきます。これが「分散の効果」で、長期の運用になるほど「負けにくくなる」ということがわかります。長期での投資をおすすめしています。
市場が11.06%伸びているのに個人投資家は3.79%しか伸びない、「ダルバー効果」という行動経済学のデータがあります。過去30年の分析で、個人投資家は市場の平均よりリターンがとれていないということですが、これは一人でやっているとどうしても弱いメンタルが出てしまい、ちょっとした負けで売ってしまったり資金を削減したりという行動によるものです。
ファンドラップは私たちが「ヒアリングシート」にのっとって、教育、住宅、将来など、お客さまの目的に合わせた運用プランをオーダーメイドしています。
PLAN(ポートフォリオを決める)→ DO(運用とバランス) → CHECK(3か月毎年4回明細報告) → ACTION(運用見直し)
お客さまがどこまでリスクをとれるか、しっかりヒアリングをして配分を決めていきます。動きの違うものを組み合わせれば、片方が悪いときでも片方が良く、補完し合います。分散というより「組み合わせ」によって「負けにくい」運用を心がけています。そして、定期的な見直しをするなど、安心してお任せいただけるようにしています。
【新NISAについて】
今年1月から始まった新NISA は、つみたて投資枠が年120万円まで、成長投資枠が年240万円まで合計360万円まで可能になりました。これまでは限度額が少なく、しかもどちらかしか選択できませんでしたが、同時併用が可能になりました。
NISA最大のメリットは「非課税」です。普通、投資では得た利益に対して20.315%が税金なのですが、NISAなら無料!月1,000円から投資が可能で、長く続けるほど効果があります。つみたては定額投資ですから、値段が下がってもたくさん買えるので、資産は必ず増えていきます。皆さんも、18歳になったらぜひNISA口座を作っていただきたいです。
【生徒のアンケートより】
・株価は、日本や海外の経済情勢だけでなく、政治などにも影響するということに驚きました。ふだんからニュースを見たり、新聞を読むことが大切だとわかりました。
・「投資はギャンブル」といった悪い印象がなくなりました。意外に一発逆転のような運用ではなく、コツコツ着実に貯めていくスタイルが多く、好印象でした。
・証券会社は日頃関わることがないので全てが新鮮でした。18歳になったら自分もコツコツ投資していきたいと思います。
・投資信託に関しては、ずっと興味がありつつも学ぶ機会がなかったので、知ることができてうれしかったです。
・学校の中だけではできない、貴重な体験ができました。
証券会社には、営業部門だけでなく、分析などいろんな部門があるので、社内には文系・理系いろんな人がいるそうです。本日お話ししてくださった社員の方の同期には、京都大学医学部卒業の人もいたそうです。文系でも理系でも、どちらでも活躍できそうな証券会社でした。しっかり学んで、それぞれが夏休み明けに良い選択ができますように。