実施報告


開催概要

2022年9月16日(金) 「生物多様性と技術が拓く明るい未来」出前授業を実施しました!

掲載日:2024年11月21日

2022年9月16日(金) 「生物多様性と技術が拓く明るい未来」


講師 :ミヤマ株式会社


場所 :ミヤマ株式会社研修施設「花伝舎」


受講者:長野市立芹田小学校 5年1組(33名)


 


戸隠高原にある「花伝舎」は、食糧問題や希少動物の保全など総合環境企業としてより幅広い課題を解決するためのミヤマ(株)さんの技術開発拠点です。今回、出前授業に参加したのは芹田小学校5年1組の児童33名。学校を飛び出しこの自然豊かなフィールドで、生物多様性と環境にやさしい科学技術を学びます。


 



  • 花伝舎の庭をまわってみよう


花伝舎に到着した児童たちは、さっそく庭の探検へ。植物はそれぞれ育ちやすい環境があるそうで、7200㎡の広大な庭は4区画に分けられ、さまざまな植物がその特性に合わせて植えられています。色とりどりの花や草木が茂る庭で、児童たちは「わたあめみたい~!」と花の甘い香りに大喜び。チョウやハチにも興味津々で、この後実験で使用する土を採取しながらたくさんの生き物を見つけていました。


 



  • 生き物がたくさんいるってどうして大事なんだろう?


研修センターに戻り、ミヤマさんの総合環境企業としての仕事やSDGs達成に向けた取り組みをお聞きしました。環境に優しいエンジンをつくる、廃棄物を資源に戻すなどさまざまな技術で環境問題を解決するミヤマさん。「SDGsは誰かが我慢することで達成されるのではなく、『これからも私たちが安心して暮らせるように、いろいろな問題を解決していこう』とみんなで行動を起こすことが大切です」と話してくれました。


続いては、生物多様性のお話。地球では、さまざまな生き物が共生しています。例えば、一見関わりがないように思える人間とハチですが、アインシュタイン曰く「もし地球からハチが消えたら、人類は4年しか生きられない」とのこと。なぜだろう?と児童たちが考えるなか、ある児童が「花粉が運ばれなくて受粉ができないから!」と発言するとみんな納得した様子でした。実際、世界のほとんどの国で食料の90%以上が、ハチの受粉によってまかなわれているそうです。また、私たちが自然の生態系から受けている恩恵をお金に換算すると年間3040兆円と算出され、計り知れない数字に驚きの声があがりました。約870万種の生き物が互いにバランスを保って共生する地球では、どんな生き物もなくてはならない存在なのです。


 



  • 微生物の可能性を知ろう!


いよいよ児童たちが楽しみにしていた体験学習の時間です。採取した土や大座法師池の水の中にいる微生物を観察しました。土を虫眼鏡や顕微鏡で見てみるとダンゴムシやカメムシの幼虫などさまざまな生き物が見つかりました。標本を見ながら夢中で生き物を探す児童に「この微生物は、薬に使われていて4億人を救ったと言われているんだよ」と社員の方が教えると、「えー!すごいけど薬に使われているのは気持ち悪いなぁ…」と驚きながらも複雑な表情を浮かべていました。一方、他の顕微鏡を覗いていた児童たちは、「アオミドロ見つけた!」「すごい速さで動いてる!」と水の中の微生物に大興奮!プレパラートに垂らした数滴の水の中に、たくさんの生き物がいることに感動していました。普段は目に見えないけれど、大きな力を持った微生物の存在にさまざまな印象を持ったことでしょう。


 



  • 科学の力で環境にやさしいエネルギーをつくろう


後半は、環境にやさしいエネルギーの体験学習。まずは、モーター発電、風力発電、太陽光発電、化学電池の実験を通して電気をつくる面白さを体感し、電気ができる仕組みを学びました。児童からは「化学電池のアルミ板が溶けて、電気がつくられる仕組みは不思議だった!」という声が聞かれました。続いて、二酸化炭素を排出しない発電方法として、お湯と水の温度差を利用した発電と、水素と酸素を使用した発電の2つを実演してもらいました。科学の力を使用した最新技術を間近で見て聞いて、児童たちは目をキラキラ輝かせていました。


最後に社員の方が、「勉強は楽しくないかもしれないけどたくさんの知識が身につくと、いろんなことができて世の中の役に立てます!みんなの未来は明るいです。自分が興味のあることをもっともっと学んでいこう」と児童に呼びかけ授業を締めくくりました。


児童たちは本日、学校では学べない特別な思い出ができたのではないでしょうか。


 


<今回参加した児童の感想を紹介します>


 


・微生物が私たちの知らないところで、私たちよりも頑張って環境問題に取り組んでいたことがわかりました。


・虫は「気持ち悪い」「汚い」などのイメージだったけど、私たちにとって素晴らしいことをしているということを知って、大切にしていかないといけないと思った。私もミヤマさんのように、地球のためになることをしていきたいです。


・学校では絶対にできない実験をすることができて、水素や酸素で電気をつくることができるとわかった。水中の微生物が必要なわけを知ることができてよかった。


・発電方法がすごくいっぱいあって、未来に期待できると思いました。


・微生物は水の中にいて、全く動かないものやビュンビュン動いてよく見られなかったものもいた。土の中の生き物は、土をキレイにしてくれるいいやつなんだなとわかった。そのおかげで虫をあまりこわく感じなくなった。


・僕が苦手な生き物がいなくなったら、人間が生きていけないことがわかった。


・いろいろな虫や微生物たちが、SDGsにも協力していることがわかりました。


 


<出前授業後に児童の皆さんが作った俳句をご紹介します>


 


・世界のね 正義の味方 微生物


・香る庭 花のにおいが すてきだな


・コスモスや 色とりどりな 花の色


・花々が 風に吹かれて 合唱だ


・お花がね 咲き乱れるよ 戸隠で


・揺れる木々 紅くそまって お化粧だ


・微生物 小さいけれど すごいやつ


・きれいだな なんのことかって 花がだよ


・虫たちが いっぱいいるよ 戸隠に


・鳥の声 聞いていると 落ち着くな


・秋といえ 日差しがまぶしい 戸隠だ


・ミヤマさん みんなすごく やさしいよ


・戸隠は 風が気持ちいい いい気分