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【信大附属長野中学校×NSPレポート①】 「車椅子バスケのイベントを開催したい!」 信大附属長野中学校のプロジェクトチームで作戦会議を行いました

2024年08月08日

2024年7月9日実施

信州大学教育学部附属長野中学校では、地域や企業、団体とコラボレーションし社会貢献活動を行う「あさひのプロジェクト」という学校独自のプロジェクトに取り組んでいます。今回NSP事務局では、パラスポーツの楽しさを伝え、障がい者と健常者の懸け橋となるような「車いすバスケイベント」を計画するチーム「ふみちーず」のサポートをしていきます。

7月9日に行ったのはイベントに向けた作戦会議。「いつ」「誰を」「どこに」「どれくらい」呼ぶのか。そして、「どのような内容」にすれば「車いすバスケの楽しさを伝え、障がい者と健常者の相互理解を深める」という目標を達成できるのか。10名のチームメンバーと先生、3名のNSP事務局員が一堂に会し、話し合いました。

 

■議題1:参加者はどうしよう?
参加者は「小学校高学年以上がいいのではないか」とあらかじめ話し合っていた生徒たち。NSP事務局の小林さんから「小学生の参加は基本的に保護者の同伴が必要になるよ。そうなると、土日開催かな」とアドバイスを貰い、「平日開催は難しいのか…」と思わぬハードルに気づきます。先生が「『学校行事』ということにして、小学校に訪問する形を取れば平日開催もできると思うよ」とフォローを入れますが、「それでもいろんな学校の児童・生徒に来てほしい」という生徒たちの強い思いによって、今回は保護者同伴で土日開催とすることに決まりました。

 

■議題2:いつ、どこで開催しよう?
次に決めるのは、日程と会場です。現在附属長野中の体育館は工事中のため使用不可。「たくさん人を呼びたいので、広い体育館が良い」と意気込み、インターネットで体育館を探します。「電車で来てもらうことを考えると駅に近いところがいいのでは?」「保護者同伴なら車で来るだろうから、駅に近いのは必須条件ではないと思う」「設備が整っているのは飯綱にあるサンアップルだけど、場所としては行きづらいから、大豆島の体育館の方が良いのではないか?」―場所についての意見はたくさん出ますが、「そもそもイベントを開催したい日に、体育館借りられるのかな?」という疑問が。12月に「あさひのプロジェクト」の成果報告会があるので、遅くとも11月中に開催する方向で体育館探しを続行します。

 

■議題3:内容はどうしよう?
体育館についての議論が続く中、今までに数々のイベント運営に携わってきたNSP事務局の畑山さんが切り込みます。「そもそも、このイベントのゴールはどこにする?車いすバスケの楽しさを広めるのか、障がいへの理解を深めるのか…ゴールによって、内容や必要な会場の規模、時間も変わってくると思うよ」鋭い指摘に、メンバー一同「確かに…」と立ち止まります。
当初、生徒たちは「自分たちで参加者に車椅子の操作方法やルールをレクチャーする」「障害のある方に実際に来ていただいて触れ合う」「最終的には参加者同士でゲームをする」ことで「車いすバスケを楽しみ、同時に障がいへの理解を深める」という構想を練っていました。
しかし正直なところ、NSP事務局はイベントに多くの不安要素を感じていました。「生徒たちが参加者にレクチャーできるほど、しっかりしたトレーニングを受ける時間は取れるだろうか?」「小学生に試合まで体験してもらうのは、時間的に難しいのではないか?」
―すべてを解決する方法を考えるものの、答えは出ません。そんな空気を破ったのがNSP事務局の北原さんでした。「実は今回初めて競技用の車いすを見たんだけど、すごくかっこいいんだね!この車いすの魅力の解説とか、すごい機能とか、そういうのも聞いてみたいけどな」北原さんの言う通り、「車いすの仕組みや扱い方を説明する」「かっこいいプレイを見せる」など、車いすバスケに興味を持ってもらう方法は、「体験する」こと以外にもたくさんあります。
北原さんの一言でさまざまな方法を検討しはじめた生徒たち。彼らが出したのは…「それでもやっぱり、“体験してその楽しさを味わう”ことに意味がある」という結論でした。しかし現実問題、生徒たちが車いすバスケをレクチャーするのは難しいもの。そこで、小林さんが提案したのが信州大学の車いすバスケサークル「セローズ」とのコラボレーションでした。セローズは障がいの有無に関係なく、競技として車いすバスケを楽しむサークル。近隣の小学校で体験会を開くなどイベント運営の経験もあるので、今企画にもってこいのサポーターになるはずです。
イベント内容については、「参加者1人1人が一連の動作を練習すると、車いすの台数によっては時間がかかりすぎてしまうのではないか」という意見が。「シュートやドリブルなど動作ごとにブースを分けて、やってみたい動きだけを体験してもらおう!」というアイデアを皮切りに、「スタンプカードを作れば全部のブースを回ってもらえるんじゃないかな」などさまざまなアイデアが飛び出しました。

 

■議題4:どうやってお客さんを集めよう?
最後に、イベントにあたっての集客について話し合いました。どれくらいの人が集まってくれるか把握できていないと、当日のオペレーションに影響が出てしまいます。開催日1か月前から募集を開始するとなると、広告の準備は遅くとも9月から始めなければ間に合いません。チラシやweb、附属長野中で開催するバザーなど、さまざまな媒体での告知を検討しました。

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決めなければならないことがたくさんあるなかで、「なぜこのイベントを開催するのか」、「参加者にどう感じてほしいのか」という「原点」に何度も立ち返りながら話し合いを進めた生徒たち。イベントがこれからどうブラッシュアップされていくのか、とても楽しみです。「ふみちーず」の活動の様子は今後もお知らせ予定です。ぜひ続報をお待ちください!

【次回の作戦会議までにすること】
◎全体のスケジュールを決める
◎体育館の空き状況・車いすの使用可否・収容人数を確認する
◎セローズに連絡し、イベント構成や物資の貸し出し、イベント当日のサポートについて相談する

 

 

 

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